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私たちが普段から何気なく飲んでいるお水の成分について考えたことはありますか?
実はお茶と水には「相性」があり、使う水によってお茶の味が大きく変わります。
この記事ではお茶の味に大きく影響する「軟水」と「硬水」について詳しくご紹介します。
軟水と硬水の違いって?
水には大きく分けて軟水と硬水があります。
水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を表した数値を「硬度」といい、1リットルに含まれる硬度が120mg以下の水を「軟水」、120以上の水を「硬水」に分けます。
日本は軟水が主流
私たち日本人に馴染み深いのは軟水です。
水道から出る水も軟水で、ペットボトルで売られているミネラルウォーターも軟水が主流。日本で硬水が採取できるのは、兵庫県西宮市など限られたほんのわずかな場所のみです。
硬水に比べて軟水には、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが少ないですが、そのぶん胃腸への負担が少く、お年寄りや赤ちゃんでも安心して飲むことができます。
また、洗濯洗剤やシャンプーなどの泡立ちがよく、石鹸カスが出にくかったり、髪や肌に優しいという特徴も持っており、水道水から硬水が出る国ではわざわざ軟水を使って洗い物をする人もいるほど。
ヨーロッパやアメリカは硬水
ヨーロッパやアメリカに旅行に行くと髪の毛がバサバサになったり、お腹がゆるくなったという話はよく聞きますが、これは、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが原因です。
もちろん、硬水にはメリットもあります。
硬水には料理の食材の臭みを消したり、アクを出やすくする特徴があり、また豊富に含まれているカルシウムやマグネシウムが動脈硬化を予防してくれるともいわれています。
お茶を淹れるのに適しているのは?
軟水は口当たりがまろやかでさっぱりした味わいです。それに比べて硬水は口当たりが重く、苦味を感じる場合があります。
普段軟水を飲んでいる人が硬水を飲むと、違和感を感じることもあるでしょう。
お茶を入れるのに適しているのは「軟水」です。
硬度が高いとお茶の成分が溶け出しにくく、お茶の良さである旨味・渋味・苦味・甘味の絶妙なバランスが崩れてしまいます。軟水で淹れると、お茶が持つ成分がしっかり溶け出し、お茶本来の味を邪魔することなく引き出してくれます。
軟水で淹れたお茶に比べ、硬水で淹れたお茶は少し白く濁ることがありますが、これは硬水に含まれるミネラルと、お茶に含まれるタンニンが合わさることで起こる現象です。