目次
記憶障害や判断力の低下などの症状をもたらす認知症。
お茶は、そんな認知症を予防する成分を持つ飲料のひとつです。
今回は、お茶に含まれる認知症予防の成分や、効果的な飲み方についてご紹介していきます。
認知症のリスクと原因
厚生労働省の調査によると、2020年の日本の65歳以上の高齢者の認知症の発症率は16.7%。高齢化に伴いその数は年々増加し、2025年には20%以上の高齢者が認知症にかかると予想されています。
認知症のリスク
認知症にかかると、以下のような症状が引き起こされます。
- 記憶障害
- 理解・判断力の障害
- 計画を立てて行動できなくなる
- 時間や場所、人との関係がわからなくなる
また、人にうまく自分の気持ちが伝えられないもどかしさから、暴力行為を働いたり、抑うつ傾向になったりするケースも存在します。
認知症の原因
認知症には「アルツハイマー型」「脳血管性認知症」などの種類がありますが、それらの原因としては以下のものが挙げられます。
- 脳内における異常タンパク質の蓄積(アルツハイマー型認知症)
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病(脳血管性認知症)
- 神経細胞の減少(前途側頭葉型認知症)
- レビー小体による脳の神経細胞の破壊(レビー小体型認知症)
特に、日本の中で最も多いのが「アルツハイマー型」の認知症で、全体の7割弱を占めています。
※参考:認知症施策の総合的な推進について(厚生労働省老健局)、認知症の現状と将来推計(三菱UFJ信託銀行)
お茶は認知症を予防する
お茶に認知症を予防する効果があることは、以下のような研究から実証がされています。
- 緑茶を1日2杯以上飲んだ人は、1週間に3杯以下しか飲まない人に比べて、認知障害の割合が半分以下になる
- マウスによる実験で、お茶に含まれる成分が脳組織の萎縮や記憶力の低下を抑制した
認知症を予防するのは、お茶に含まれる「カテキン」です。
アメリカの研究によると、カテキンは特にアルツハイマー型の認知症に効果があることが明らかになっています。
現在日本で最も多い認知症の種類はアルツハイマー型なので、お茶が認知症予防になる可能性は非常に高いのです。
※参考:『日本茶のすべてがわかる本』農文協
認知症を予防できるお茶の飲み方
認知症を予防するお茶の成分、カテキン。
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンがしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
渋味は一番茶と比べて強くなりますが、肥満予防でお茶を飲む際には二番茶や三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。