May 29, 2020
日本のお茶の産地|埼玉県

埼玉県のお茶の生産量は国内生産量の約1%ほど。決して生産量の多い都道府県ではありませんが、埼玉県で作られる「狭山茶」は、「静岡茶」「宇治茶」と並ぶ日本三大茶に数えられており、日本有数の銘茶の産地として認められる地域でもあるのです。

埼玉県の生産量が小さいのには、その立地が大きく影響しています。

鹿児島県のような気温や日照時間に恵まれた産地では、1年で最大5回収穫することができますが、その一方、お茶の産地としては寒冷な地域である埼玉県は、1年に2回しか収穫ができません。

栽培面積が狭いこともあり、生産量は少なくならざるを得ないという事情があるのです。

埼玉県のお茶づくりの歴史

埼玉県のお茶づくりは、鎌倉時代に始まったといわれています。

川越に明恵上人がお茶の木を植えたことがきっかけだそうです。

南北朝時代には、埼玉県のお茶は「河越茶」として親しまれており、この頃から東国のお茶の産地として知られていました。

埼玉県で本格的にお茶の栽培が行われるようになったのは、江戸時代後期。

入間市宮寺の吉川温恭、村野盛政が京都・宇治の製法を取り入れて、蒸製煎茶の量産に成功しました。次第に県の特産物としてお茶の栽培が盛んになり、栽培地域も広がっていきました。

明治時代には、輸出のために河越茶は「狭山茶」というブランドに統合され、現在も、埼玉県を代表する農作物となりました。

栽培している地域

埼玉県のお茶の栽培地域は、県全体に点在していますが、主な栽培地域、入間市周辺の狭山茶の栽培エリアでしょう。

狭山茶

埼玉県西部にある狭山市、入間市、所沢市を中心に作られているお茶が「狭山茶」です。

狭山茶という名称ではありますが、狭山市より入間市での栽培が盛んで、これは入間市の雨がおおく、水はけの良い立地が、お茶の栽培に適しているためです。

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という茶摘み歌もあるほど、その深い味わいが評価されています。

狭山茶には「狭山火入れ」という独自の仕上げ技術があります。お茶の仕上げの工程で、強く熱を加える伝統的な手法です。これにより、濃厚でコクのある風味を楽しめるお茶に仕上がります。