March 15, 2020
日本のお茶の産地|静岡県

日本のお茶の産地といえば、まず思い浮かぶのが静岡県。

国内有数のお茶の生産地である静岡県は、地勢・水質・気候など、お茶の栽培に適した地域が多く、都道府県別のお茶の生産量は日本一。
平成29年の生産量は30,800トンと、国内生産量の約40%を占める日本最大のお茶どころです。

煎茶、特に深蒸し煎茶が多く生産されており。品種としては「やぶきた」が主流ですが、それ以外にも「おくひかり」「山の息吹」「香駿」「つゆひかり」「やまかい」など、バラエティーに富んだ品種が栽培されています。

今回は、そんな静岡県のお茶づくりの歴史や産地をご紹介します。

静岡のお茶はやぶきたが主流?

日本全国で生産されるお茶の内、7割以上を占める「やぶきた」ですが、静岡県は特に「やぶきた」の生産量が多いエリアです。

「やぶきた」は茶の品質改良の先駆者である杉山彦三郎が1908年に、現静岡市駿河区で見つけ出した品種です。比較的栽培がしやすく、煎茶として極めて良質なこの品種は、1945年に静岡県の奨励品種となったことがきっかけに全国的に普及し、現在でも国内生産量のシェアの大部分を占めています。

国内でもいち早く「やぶきた」の栽培に着手した静岡県では、今でも「やぶきた」のシェアは非常に強く、栽培面積の9割以上を占めています。

静岡県のお茶づくりの歴史

静岡県でお茶の栽培がはじまったのは、鎌倉時代だといわれています。

僧の聖一国師が、留学先の宋からお茶の種を持ち帰ったことがきっかけだとか。 聖一国師は駿河国の生まれで、故郷に近い駿河足窪(今の静岡市足久保)にお茶の種を植えたそうです。このことから聖一国師は「静岡茶の祖」と呼ばれていて、誕生日の11月1日は静岡市の「お茶の日」に定められています。

江戸時代になると、静岡県のお茶は御用茶として徳川幕府に納められるようになり、将軍御用達となったことで静岡のお茶は銘茶として広く認められるようになりました。

明治時代には、山間部に多かった栽培地を台地にまで広げ、牧之原台地を開墾したことにより生産量が大幅に拡大。明治時代の半ばには、その生産量は日本最大となり、名実ともに日本を代表するお茶の産地となりました。

やがて機械による大量生産が普及し、全国的にお茶の生産量が伸びた今日においても、静岡県は日本最大の生産量を誇っています。

静岡県のお茶の産地

日本有数のお茶どころである静岡県では、県内のあらゆるエリアでお茶が栽培されています。実際車で県内を走っていると、至るところにお茶畑が見られるのに驚くことでしょう。

特に生産量が多いのは、明治時代に開墾された牧之原台地のある牧之原市や、古くからお茶づくりが盛んな島田市・掛川市などで、大井川や天竜川の上流域などの、気候や水質に恵まれた山間部での栽培も盛んです。

栽培している地域ごとに個性あるブランド茶が作られていることも、静岡茶の魅力の一つ。以下のようなブランド茶が全国的にも有名です。

川根茶

静岡県の中部を流れる大井川の上流域で作られるお茶。山間部の標高の高い地域で作られたお茶は、水質や空気に恵まれ、上質なお茶に仕上がります。日本茶業界で初めて「天皇杯」を受賞するなど、上質な高級茶として有名な銘茶です。

水色は薄く、澄んだ黄緑色。さわやかな香りと、まろやかな味わいが楽しめます。

掛川茶

静岡県の西部に位置する掛川市は、深蒸し煎茶の発祥地のひとつとして知られています。温暖な気候により葉が厚く育つ掛川のお茶は、その苦渋味を抑えるために、通常よりも長い時間蒸しを行う深蒸し製法が考案されたのだそう。現在でも掛川市で作られているお茶の大部分が深蒸し煎茶です。

水色は濃く、豊かな香りと、甘み・旨みを味わうことができるお茶です。

本山茶

静岡県の中部を流れる安倍川の上流域で作られる本山茶。前述の聖一国師がお茶の種を植えたのもこの地域だと言われており、静岡で最古の歴史を持つお茶です。

水色は「金色透明」といわれ、山間地特有の香りと、口当たり良くさわやかな味わいが楽しめます