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お茶を飲むときにお気に入りの焼き物を使って淹れる人もいるでしょう。

日本にはさまざまな地域で焼き物が作られていますが、その中でも今回は、最近注目を集めている長崎県の「波佐見焼」をご紹介します。

波佐見焼って?

波佐見焼は長崎県にある波佐見町とその付近で昔から作られている陶磁器のことです。

波佐見町は人口1万5000人ほどの小さな町ですが、町の中には150軒ほどの窯元や商社があり、町に住む人の2割〜3割が波佐見焼に携わった仕事をしています。全盛期はその割合は7割にものぼったそうです。

日本の日用食器の20%弱は波佐見焼の食器であり、茶器も多く作られています。

特徴

波佐見焼の特徴はいくつかありますが、特にわかりやすい点を2つ紹介します。

日常食器という立ち位置

陶磁器と聞くと高級なイメージがありますが、波佐見焼は日常的に使う庶民的な食器などを作っています。

高品質でありながらお手頃価格なので幅広い層に愛用されています。

決まった技法がない

波佐見焼にはこれといった技法がありません。なので、その時代に求められる形・デザインの焼き物を柔軟に作ることができるが波佐見焼の強みでもあります。

デザインも大きさもバラエティーに富んでおり、専門店だけではなく食器屋や雑貨屋など、色々なお店で購入することができます。

波佐見焼の歴史

あまり知名度の高くない波佐見焼ですがその歴史は長く、始まりは400年前と伝えられています。

当時の日本は焼き物が非常に注目されており、貴重な茶碗(湯のみ)を所有しているというだけで権力を持てるほどで、焼き物はまさに家宝扱いでした。

ある時、各地の裕福な大名たちが焼き物の高い技術を得るために朝鮮から陶工達を連れて帰り、日本の3ヶ所で焼き物作りを始めさせました。そのうちの1ヶ所が波佐見町で、これが波佐見焼の始まりだといわれています。

有田焼と波佐見焼

波佐見焼がそこまで広く知られていない理由の1つが、長い間「波佐見焼」としてではなく「有田焼」として売られており、近年までその名前が表に出ることが少なかったからだと考えられます。

波佐見焼の産地と有田焼の産地は非常に近く、どちらも有田から出荷していたため、2つまとめて「有田焼」と呼ばれていました。

2023年, 1月 08日