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「お茶の王様」と讃えられる最高品質のお茶「玉露」は、高いものだと平均的な煎茶の20倍の価格がつくこともある、非常に価値の高い希少な高級茶です。
気軽に飲めるお茶ではありませが、せっかく飲むのであれば、ぜひ正しい淹れ方でその良さを存分に引き出して味わってください。
玉露の味わい・香り
玉露は一般的なお茶と比べて苦味が少なく、甘味・旨味が強くコクがあるまろやかな味わいです。香りが特徴的で、ほかのお茶にはない「覆い香」と呼ばれる青海苔のような独特の香りがします。感動するほどの美味しさは一度飲んだら忘れられません。
玉露を淹れる前に
まずは玉露を淹れる時に必要な道具などをまとめます。
使う道具
一般的な煎茶を入れる時とほとんど同じですが、せっかくの高級茶をじっくりと丁寧に淹れるために本格的な道具もご紹介します。
宝瓶(ほうひん)
持ち手のない急須です。玉露や上級煎茶など旨味をしっかり引き出して飲みたいお茶に使います。
玉露は低い温度でじっくり抽出するので、茶器が熱くならず、持ち手が必要ありません。
宝瓶は一般家庭にはなかなか置いていませんが、高級茶が多く生産されている宇治地方では広く普及しています。
宝瓶がない場合は普通の急須でも問題ありません。
湯冷し
沸かしたお湯を冷ます道具です。玉露は低い温度でじっくり抽出するので湯冷しを使い、温度を下げたお湯を使います。ない場合は急須にお湯をいれ、そのお湯を茶碗に注ぎ、また急須にお湯を戻し茶碗に注ぐ…を繰り返します。
茶碗(湯のみ)
玉露はごくごく飲むお茶というより、少量を味わいながら楽しむお茶です。
できれば小ぶりの茶碗(湯のみ)がいいでしょう。
もちろん、ない場合は普通サイズの湯のみやマグカップでも大丈夫。
茶さじ
茶さじを持っていない場合は、家にあるティースプーンや計量スプーンでも代用できます。お茶1杯分は約3グラム、ティースプーンだと山盛り1杯ほどです。
実は茶さじにはコレクターがいるほどさまざまなデザインがあります。もし持っていない方はお気に入りの茶さじを探してみるのも楽しいかもしれません。
これらがあれば玉露は淹れられますが、もしより美味しく淹れたいのなら鉄瓶を使うことをお勧めします。
鉄瓶は鉄でできた湯を沸かす道具で、この鉄瓶を使うことで中の水に鉄が混ざり、滑らかな口当たりになります。
また、玉露は温度調節が重要なので不安な人は温度計も用意したほうが良いでしょう。
使う水・温度
お水には軟水と硬水があり、お茶によって合う合わないがあります。
硬水は軟水よりもカルシウムとマグネシウムイオンを多く含むのですが、これらがお茶の苦味を抑えるので、お茶本来の味のバランスが崩れてしまいます。
お茶そのものの成分や味を引き出すのは軟水で、玉露など日本のお茶に合う水は軟水です。
日本の水道水は基本的に軟水なので水道水を使っても問題ありません。
お湯の温度は通常の煎茶より20度ほど低い、50度〜60度のぬるめのお湯でじっくり抽出します。
お茶と温度の関係を詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
玉露の淹れ方
玉露の淹れ方は以下の通りです。
宝瓶(急須)にお湯を入れる
沸かしたお湯を宝瓶に入れ、人数分の茶碗に注ぎます。
湯を冷ます
茶碗の湯を湯冷しに注いで湯の温度が50度〜60度に下がるのを待ちます。早く冷ましたい場合は、湯冷しから茶碗に湯を注いでまた湯冷しに戻すと早く温度が下がります。
宝瓶(急須)に茶葉を入れる
ひとり分につき3グラムが目安です。
玉露は最高級茶葉です。茶筒から茶葉をすくう際は茶葉が折れないように優しくすくいましょう。
宝瓶にお湯を注いで待つ
湯冷しのお湯を宝瓶に注ぎます。
茶葉がゆっくり開きますので、2〜3分ほど待ちます。
茶碗にまわし注ぐ
人数分の茶碗に少量ずつまわし注ぎます。最後は宝瓶を振って最後の一滴までしっかりと注いでください。
2煎目はすでに茶葉が開いているので1煎目より少しだけ高めの温度のお湯で淹れましょう。
1煎目とはまた違った味と香りを楽しむことができますよ。