Contents

少量の玉露を小さな器に入れ、蓋を少しずらして口元に当てる——その瞬間に広がる香りが、すすり茶の真髄です。急須を使わず、湯のみに直接お湯と茶葉を入れて、少しずつ口に含む。玉露の伝統的な飲み方として、格式高いものとされています。

すすり茶とは

すすり茶とは、急須を使わず湯のみに直接茶葉とお湯を入れ、蓋を少しずらしながら少量ずつすする飲み方です。「すする(啜る)」という動作が名前の由来で、一口はほんの少量——大さじ1杯程度——で、それを何度も繰り返します。

この飲み方の面白さは、茶葉がゆっくりと開きながら、濃度が増していく様子を体験できることです。少量のお湯しか使わないため、濃度が非常に高くなります。一口目は純粋な旨味と甘味が広がり、二口目以降はそれが少しずつ深まり、長い余韻が残ります。すすり込む動作でお茶と一緒に空気も入り込み、香りが鼻へと立ち上ります。ワインのテイスティングに似た、香りに深く意識を向ける、贅沢な楽しみ方です。

蓋なしでも飲める

蓋のある湯のみがなくても大丈夫です。小さな器に茶葉とお湯を入れ、口を少し開いて器を傾け、茶葉を器の縁で押さえながら液体だけを口に運びます。蓋なしでも同じ飲み方ができます。すすり茶には小ぶりの湯のみが合います。お気に入りの器を探してみませんか。湯のみコレクションもご覧ください。

すすり茶に向く茶葉

旨味の強いお茶が最も向いています。玉露が定番で、被覆栽培によってテアニン含量が非常に高いため、すすり茶で引き出す濃い旨味と相性が抜群です。高級煎茶やかぶせ茶も向いています。一方、ほうじ茶や番茶などの渋味や苦味が強いお茶はこの方法には不向きです——濃縮されるのは旨味だけでなく、渋味も同様に強まるためです。

なぜ被覆栽培のお茶が濃い旨味を持つかは被覆栽培の記事、温度と旨味の関係はお茶と温度で解説しています。玉露の詳しい淹れ方は玉露のおいしい入れ方を参照してください。

氷出しすすり茶の楽しみ方

氷出しすすり茶は、氷が溶ける時間をかけて旨味だけをゆっくり引き出す、夏ならではの飲み方です。

湯のみに玉露4〜5gを入れ、氷20g(大さじ1〜2杯程度)を加えて20〜30分待ちます。氷がゆっくり溶ける過程で、低温で特に溶け出しやすい成分——テアニンや糖類を中心に——が抽出されます。甘味が突出し、渋味がほぼないとろりとした一杯になります。

氷が溶けたら、蓋を少しずらして傾け、お茶だけをすすり飲みます。最後の数滴は、蓋を裏返して、そこに雫を落としてからそのまま口に含みます。最後が最も甘く感じられます。

氷出しすすり茶の手順

氷出しすすり茶は、玉露4〜5gに少量の氷を加えて20〜30分待つだけで、甘味が凝縮されたとろりとした一杯を楽しめます。

茶葉を入れる

湯のみに4〜5gの茶葉(玉露や高級煎茶)を入れ、底に広げます。

氷を入れる

20g程度の少量の氷を加えます。すすり茶は少量で味わうものなので、水が多すぎると濃度が下がります。

氷が溶けるのを待つ

20〜30分待ちます。急がなくて大丈夫です。溶ける速さによって濃度が変わります。

最後まで楽しむ

蓋を裏返して、湯のみに残った最後の雫を蓋の上に垂らしてすすり取ります。

飲み終わった茶葉を食べる

すすり茶に使った茶葉は、ふっくらと開いて柔らかくなっています。ポン酢や醤油をかけると、草の香りと旨味の残る一品になります。高品質な被覆栽培の茶葉を捨てるのは、もったいないほどです。ごま油と塩で和えるのもおいしいです。

すすり茶に必要なのは、特別な道具よりも、ただ静かに向き合う時間です。私たちは、まず手元にある玉露や高級煎茶で一口試してみることをお勧めします。道具が揃っていなくても、小さな器があれば始められます。

タグ: 淹れ方

よくある質問

すすり茶とは何ですか?

すすり茶は、小さな湯のみに茶葉と湯、または氷を直接入れ、少量ずつすする飲み方です。玉露の香りと旨味の変化を、一口ごとに感じやすくなります。

すすり茶に合う茶葉は何ですか?

定番は玉露です。被覆栽培でテアニンが多く、濃い甘味と旨味が出やすいためです。高級煎茶やかぶせ茶も合いますが、苦味の強い茶は不向きです。

どんな器を使うとよいですか?

小ぶりの湯のみや、手の中で安定する小さな器が向きます。蓋付きなら茶葉を押さえやすく、蓋なしでも縁を使って茶葉を残しながら飲めます。

氷出しすすり茶の目安は何ですか?

玉露4〜5gに氷20gほどを合わせ、約0°Cの低温で20〜30分待つのが出発点です。小さな湯のみで、濃さや甘味は好みに合わせて調整します。

初心者が気をつける点は何ですか?

水や氷を多く入れすぎると、すすり茶らしい濃度が弱くなります。まずは小さな器で少量から始め、濃ければ待ち時間や氷の量を調整します。