Far East Tea Company 編集チーム 約 6 分
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紅茶はシンプルに見えて、意外と奥が深い。基本は「100度の熱湯、茶葉2〜3g(200mLに対して)、3〜5分蒸らす」。ただし、茶葉の種類によって最適な温度と時間は変わる。茶葉のタイプ別に、ポイントを整理しました。

紅茶の基本 — 温度と時間の関係

なぜ沸騰したお湯が必要なのか

紅茶の茶葉は完全酸化処理されている。葉の中の酸化酵素が働き、クロロフィルが分解され、テアフラビンやテアルビジンといった赤褐色の成分が生まれる。この化学的変化が、紅茶独特の赤みがかった水色と芳醇な香りを作り出す。

完全酸化した茶葉は、高温でなければ成分がうまく溶け出さない。緑茶が60〜80度の低温で淹れるのとは対照的に、紅茶は基本的に100度の沸騰したお湯を使う。これは「抽出効率」の問題だ。タンニンやテアフラビンは高温ほどよく溶け出す。

ただし、ダージリンのファーストフラッシュや和紅茶は例外で、90〜95度のやや低めの温度が向く。繊細なフローラルな香りが、沸騰温度では飛んでしまうためだ。

CTC茶葉とオーソドックス製法の違い

「CTC製法」とは、茶葉を細かく砕き(Crush)、千切り(Tear)、丸める(Curl)製法のこと。アッサムや市販の紅茶バッグに多い。成分が溶け出しやすく、短時間でしっかりした色と味が出る。ミルクティーに向いている。

一方、「オーソドックス製法」は手もみや機械を使って茶葉の形を整える伝統的な方法。ダージリンやニルギリなど、ストレートで飲む紅茶に多い。少し時間をかけて蒸らすほうが複雑な香りが引き出される。

茶葉タイプ 推奨温度 蒸らし時間 茶葉の量(200mLあたり)
CTC(アッサム・ブレンドなど) 100°C 3〜4分 2〜3g
オーソドックス全形茶葉(アッサム・セイロン) 95〜100°C 4〜5分 2〜3g
ダージリン ファーストフラッシュ 90〜95°C 2〜3分 2g
和紅茶(日本の紅茶) 90〜95°C 2〜3分 2〜3g

おいしく淹れる手順

5つのステップで見ていきましょう。それぞれに理由がある。

ステップ1 — ティーポットとカップを温める。沸騰したお湯をポットとカップに注ぎ、温めてから捨てる。冷たい器に熱湯を注ぐと、温度がすぐ下がって抽出が不十分になる。30秒で完了する、シンプルながらも大切な工程だ。

ステップ2 — 茶葉を計る。200mLに対して2〜3g。ミルクティーにするなら少し多め、デリケートなダージリンなら少なめに。「ティースプーン1杯」は茶葉のサイズによってかなりばらつくので、小型のキッチンスケールがあると精度が上がる。

ステップ3 — 新鮮な沸騰したお湯を注ぐ。一度沸かしたお湯を再沸騰させると溶存酸素が失われ、風味が損なわれやすい。注いだ瞬間から茶葉が上下に動く「ジャンピング」が起きれば、対流で茶葉全体が均一に抽出されているサイン。無理に動かさなくて良い。

ステップ4 — 蓋をして蒸らす。蓋をすると温度が保たれ、蒸気が循環する。タイマーをかけること。過抽出による渋味は、ほとんどの場合「蒸らし過ぎ」が原因だ。CTC小粒茶葉は3分、オーソドックス中大葉は4〜5分が目安。

ステップ5 — 全量を注ぎ切る。時間になったらすぐにストレーナーを通してすべての茶液を注ぎ切る。茶葉をポットに残したままにすると、その後も抽出が続いて渋くなる。複数杯分作るときはティーサーバー(別の器)に一旦移すとよい。

ジャンピングについて言えば、ポットの形も関係する。丸みのある球形のポットは対流が起きやすく、ジャンピングが均一に起こる。急須のような小型ポットでも同様の効果を得られる。茶器の素材と形の選び方も参考にしてほしい。

茶葉の種類で変わる淹れ方

ダージリン ファーストフラッシュ — 繊細さを活かす

春摘みのダージリンは、マスカットを思わせるフルーティーな香りと緑がかった水色が特徴。100度の沸騰湯では、この繊細な香気成分が揮発してしまう。90〜95度のやや低めのお湯を使い、蒸らしは2〜3分に留める。ストレートで、薄い白磁のカップで飲むと香りが際立つ。

アッサム CTC — しっかり蒸らしてミルクティーに

アッサムのCTC茶葉は力強いコクと麦芽のような香りが特徴。100度の熱湯で3〜4分しっかり蒸らし、濃いめに抽出してから牛乳を加えるのが基本。インド式チャイ(スパイスミルクティー)の土台にもなる。水色は深い赤褐色になるまで抽出してよい。

和紅茶 — 渋味が少なく、ストレートに向く

日本で作られる紅茶「和紅茶」は、中国系品種を使うものが多く、渋味が少なくまろやかな甘味が特徴。ただし、べにふうきなどのアッサム系ハイブリッド品種を使った和紅茶も近年増えている。90〜95度のお湯で2〜3分。渋味が出にくいのでストレートで楽しめる。紅茶の製法と文化については紅茶の種類と特徴も参照してほしい。

よくある失敗と対処法

渋くて苦い — ほぼ確実に過抽出か、温度が高すぎる。まず蒸らし時間を30秒短くし、それでも改善しなければ温度を下げてみる。ダージリンを100度で5分蒸らすと、どんな良い茶葉でも台無しになる。

薄くて物足りない — 抽出不足か茶葉が少ない。時間を30秒延ばすか、茶葉を少し増やす。多くの人が思っているより少ない量を使っている場合が多い。

色は出るが香りが弱い — 沸騰させすぎた湯(再沸騰)か、茶葉の鮮度の問題。新鮮な湯を使い、茶葉の保存状態も確認する。開封後の茶葉は密閉容器で保管し、早めに使い切ること。

香りはあるが渋味が気になる — アッサム系のCTCでは自然な渋味がある。牛乳を加えると渋味がタンパク質と結合して和らぐ。ミルクを先に入れるか後に入れるかは好みだが、牛乳を先に入れると高温による変性が減ると言われている。

アレンジ — ミルクティー・チャイ・アイスティー

ミルクティーはアッサムCTCで作るのが定番。濃いめに淹れた紅茶(150mL)に温めた牛乳(50〜70mL)を加える。甘味はお好みで。

チャイにするには、水と牛乳を同量(各100mL)鍋で温め、シナモン・カルダモン・生姜・クローブを加えて数分煮出してから茶葉(3〜4g)を加え、沸騰直前で止めて蒸らす。砂糖を加えて漉す。体の芯から温まる飲み物だ。

アイスティーはコールドブリューがおすすめ。茶葉3〜4gを常温または冷水500mLに入れ、冷蔵庫で8〜12時間。渋味が出にくく、自然な甘味とすっきりした後味になる。急冷アイスティーは濃いめに熱抽出してから氷の上に注ぐ。中国茶の入れ方も参考になる手法が多い。

紅茶の成分と効能については紅茶の成分一覧を、種類の違いについては紅茶の種類お茶と温度の関係もあわせて読んでほしい。

紅茶は日本茶と同じ茶の木から生まれる。製法が違うだけで、ルーツは同じだ。一杯の紅茶を丁寧に淹れることで、その違いを一杯の中で感じられる。

紅茶に合う茶器を探すなら、茶器コレクションもご覧ください。

タグ: 淹れ方

よくある質問

紅茶を淹れる基本の目安は何ですか?

まずは100°Cの熱湯、200mLに茶葉2〜3g、蓋をして3〜5分を基準にします。茶葉の種類や好みで、時間・温度・茶葉量を少しずつ調整します。

ダージリンファーストフラッシュは何度で淹れるのがよいですか?

ダージリンファーストフラッシュは90〜95°C、200mLに茶葉2g、蒸らし2〜3分が目安です。100°Cで長く蒸らすと、繊細な花香や明るさが失われやすくなります。

CTCとオーソドックス製法で淹れ方はどう変わりますか?

CTCは成分が出やすいので100°Cで3〜4分、ミルクティー向きです。オーソドックス全形茶葉は95〜100°Cで4〜5分、香りをじっくり引き出します。

紅茶が渋く苦くなる原因は何ですか?

多くは蒸らし過ぎか、茶葉に対して湯温が高すぎることが原因です。まず30秒短くし、それでも強い場合は5°Cほど下げて、自分の好みに寄せます。

ポットやカップを温める意味はありますか?

冷たい器に熱湯を注ぐと温度がすぐ下がり、抽出が弱くなります。30秒ほど予熱すると、茶葉が最初から十分な熱を受け、香りと水色が安定します。