June 07, 2020
釜炒り茶の製造方法について

煎茶などの不発酵茶は、失活の方法によって「蒸し製」と「釜炒り製」の大きく2つに分けられます。日本緑茶の製法では「蒸し製」が主流ですが、中国緑茶の場合は「釜炒り製」がほとんどです。

今回は、この「釜炒り茶」の特徴や製法などを詳しく解説していきます。

釜炒り茶の製造工程の特徴

釜炒り茶は不発酵茶の一つで、生葉を摘んだ後、すぐに茶葉のもつ酸化酵素を失活させて作られます。その際、失活の方法として「釜炒り」を用いるのが特徴になります。

収穫された生葉が出荷されるまで

収穫された生葉は、摘み取られた産地の近くで「荒茶」にまで加工され、その後「仕上げ」加工が行われ、製品として各地へと出荷されます。

荒茶ができるまで

まずは「荒茶」の工程について詳しく解説します。

釜炒り

茶 釜炒り機

摘み取られた生葉は、300℃にものぼる熱い鉄釜でゆっくり丁寧に炒られます。火加減や仕上がりの見極めは、積み重ねられた経験や感覚が頼りです。

粗揉

茶 粗揉機

強い力で揉み、適度な圧力を加えながら、熱風を当てて乾かします。茶葉を柔らかくし、茶葉のもつ水分を減らすための工程です。

揉捻

粗揉だけだと揉み足らないため、今度は加熱をせずに圧力だけで揉みます。茶葉の水分を均一にしていくとともに、細胞を破壊し、茶葉の成分が出やすいようにします。

中揉

揉捻後の茶葉は縮んで形も不揃いなため、中揉工程では熱風を当てながら茶葉を解きほぐし、細長い形に整え、さらに揉みます。

精揉

茶 精揉機

釜炒り茶の場合、この精揉のプロセスを行わないことが多いですが、 この工程を経たものをさらに「釜伸び茶」といいます

茶葉の乾燥を促しつつ、一定方向にだけ揉みます。この工程で緑茶独特の針のような細長い形ができあがります。

乾燥

天日に当てて乾かし、旨味を引き出します。釜で攪拌しながら乾燥させる方法もあります。

これで「荒茶」の完成です。

仕上げ

「荒茶」の状態では水分が若干残っており、香ばしさにも欠けるため、さらに工程を加えて製品への「仕上げ」を行っていきます。

先火

選別や整形を行う前に、荒茶全体にまず火入れ(焙煎など)をします。

選別・整形

火入れ後の荒茶をふるいにかけ、細かい茎などを取り除き、葉の大きさで選別します。さらに切断などの加工を行い、形を整えます。

火入れ

最後にもう一度火入れして乾燥させることで、保存性を高めるだけでなく、お茶の香りを一層引き出します。

合組

茶 合組機

最終調整として製品の配合や品質を均一にするために「合組(ブレンド)」を行います。合組を行うことで、バランスのいいお茶に仕上がります。

釜炒り茶の産地・特徴

釜炒り茶は15世紀ごろに中国から日本へ伝来しました。その頃の日本のお茶は、煎茶の製法が完成するまでの間ほとんどが釜炒り茶でした。今でも中国では「釜炒り製」が主流ですが、日本ではわずか1%未満しか生産されない希少なお茶になりました。

日本での主な産地は、佐賀県や長崎県、宮崎県などの九州地方に集中します。

「釜炒り茶」の特徴は、釜で炒ることで生まれる「釜香(かまか)」という香ばしい香り、渋みが少ないすっきりした味わい、淡い透き通った金色の水色が魅力です。