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平成30年宮崎県のお茶の生産量は3,800トン。この年の生産量の5%ほどを占める、日本第4位の生産量を誇る都道府県です。
宮崎県で産されているのは主に煎茶で、生産量の約80%を煎茶が占めています。
また、生産量こそ小さいものの、宮崎県は釜炒り茶で名高いお茶の産地でもあり、釜炒り茶の生産量に限れば、日本最大の生産地です。
”やぶきた”を中心に”さえみどり”、”ゆめかおり”、”さきみどり”、”はるもえぎ”などの品種が栽培されています。
宮崎県のお茶づくりの歴史
宮崎県では昔から、山間地に自生している山茶を飲んでいたといわれています。
お茶にまつわる記録が残っているのは1600年代から。当時、貢ぎ物や物税として使われていました。
宮崎県で本格的にお茶が作られるようになったのは明治時代以降。山茶にも使われていた釜炒り茶の製法と、宇治から伝わった煎茶の製法が宮崎県全域に広まりました。
釜炒り茶の製法は、1600年頃に朝鮮から。煎茶の製法は1751年、都城島津藩の藩医だった池田貞記が宇治から製法を学び、県内に伝えたと言われています。
大正時代の末期から昭和時代の初期にかけて、県が茶業奨励策を採ったことで、お茶づくりの土台ができあがりました。
昭和40年代には戦争の影響から減少した茶園面積や生産量も回復していき、その後平成10年頃までは茶園面積が減少傾向にありましたが、平成11年ごろからは茶園面積・生産量ともに少しずつ増えていき、近年では県全体で「品質日本一の茶産地」を目指し、全国茶品評会でも好成績を収めるなど、高品質なお茶づくりに力を入れている地域です。
栽培している地域
宮崎県は温暖な気候と肥沃な大地、降雨量などから、お茶の栽培に適した都道府県です。
海沿いの地域から標高700メートルの山間地にいたるまで、広いエリアでお茶が作られています。
高千穂茶
宮崎県の北西部にある、高千穂町を中心とする山間地で作られるお茶です。
高千穂茶のほとんどは釜炒り茶です。収穫直後のお茶の葉を、蒸すのではなく釜で炒って作られる釜炒り茶の生産量は日本全体の生産量の1%にも満たないほどですが、釜炒り茶の多くは九州で作られており、さらにその6割ほどが宮崎県で生産されています。
水色は透明感のある金色で、釜香(かまか)という独特の香ばしい香り、すっきりした味わいが楽しめます。