June 14, 2020
お茶の早生・晩生品種

一年中いつでも美味しく飲むことができるお茶。しかし、お茶は種類や栽培地域によって摘採時期(茶葉が摘み取られる時期)に違いがあることをご存知ですか?

この記事ではお茶の摘採時期についてご紹介します。

お茶の摘採時期はいつ?

一番茶の収穫は、早い地域だと3月下旬から、遅い地域では5月下旬まで行われます。ただしこの摘採時期は、品種・緯度・標高・日照時間などによって少しずつ変わります。農作物の中でもお茶の摘採時期は非常に短く、朝に摘採のタイミングを迎えたお茶は、その夜には固くなり始めてしまうんだとか。そのため、美味しいお茶を作るためには、非常に短い時間で摘み終えなければなりません。

生産者が複数の品種を栽培する目的の一つが、この摘採時期を長く確保するため。

仮にある生産者が栽培するお茶が全て同一の品種だった場合、短い摘採期間に作業が追いつかず、新芽が育ち過ぎて味が落ちたり、葉が固くなったりしてしまう恐れがあります。

複数の品種を栽培することで摘採のタイミングを少しずつずらし、摘採時期を長く確保して初めて、ベストな状態で全ての新芽を摘み取ることができるのです。

「早生」「晩生」って?

お茶には100種類以上の品種があり、品種によって摘採時期が変わるのですが、その中でも「早稲品種」と「晩生品種」があります。

早生(わせ)は摘採時期が比較的早いことで、これに分類される品種を「早生品種」といいます。

晩生(ばんせい・おくて)は早生と逆に摘採時期が比較的遅いことで、これに分類される品種を「晩生品種」といいます。

農家は、早生品種・中生品種(「やぶきた」など摘採の基準になる品種)・晩生品種を組み合わせて栽培することで摘採時期を10日前後にまで広げることができ、これによりすべての茶葉を一番良いタイミングで摘むことができるのです。

鹿児島には「早生」が多い?

温暖な気候を利用して3月下旬から摘採を始める鹿児島県のお茶は、市場に出回るのが日本一早い「走り新茶」として有名です。「走り新茶」は一年で最も早く売られるお茶ということもあり、通常のお茶よりも高い市場価格がつく傾向にあり、少しでも早く出荷を始めるために早生品種で作られることがほとんどです。

日本で二番目に多く作られている品種である「ゆたかみどり」は、代表的な早生品種の一つ。

実は、その大部分は鹿児島県で栽培されており、「ゆたかみどり」の他にも「さえみどり」や「あさつゆ」などの早生品種が多く栽培されています。「走り新茶」を少しでも早く、高値で取引するために、鹿児島では鹿児島では早生品種の栽培が盛んなのです。

代表的な早生品種

早生品種には、さやまかおり・つゆひかり・くりたわせなど数多くの品種がありますが、中でも代表的な品種といえばゆたかみどりとさえみどりです。

さやまかおり

やぶきたより0〜2日早生。濃厚な香りが特徴で、主に静岡県・埼玉県・三重県などで栽培されています。カテキンを多く含むため、比較的渋めの味わい。

つゆひかり

やぶきたより2日ほど早生。茶葉が明るい緑色で美しく、特に静岡は栽培に力を入れています。渋味の中に旨味と甘味が引き立つ爽やかな味わいが特徴。

くりたわせ

種子島などの暖かい地域で栽培されている品種で、早生の中でも特に摘採期が早い「極早生」と呼ばれる品種。キレのある苦味とフレッシュな甘みが特徴。

ゆたかみどり

繁殖力が強く収穫量も多いゆたかみどりは、日本で2番目に作付面積が大きい品種で寒さに弱いので特に鹿児島で多く栽培されています。独自の栽培方法と加工方法で苦味が少なくほどよい甘みとコクがある深い味わいを作り出しています。

さえみどり

育てやすく味のバランスが良い「やぶきた」と、甘みと旨みが強く天然玉露とも呼ばれている「あさつゆ」を掛け合わせた最高級品種。やぶきたの味のバランスの良さにあさつゆの甘みと旨味が加わり、上品で優雅な味わい。

代表的な晩生品種

晩生品種には、かなやみどり・はるみどり・おくひかりなどがありますが、代表的な品種はおくみどりとべにふうきです。

かなやみどり

やぶきたより4日晩生で、主に鹿児島県と静岡県で栽培されています。ミルクのような独特の甘いかおりが特徴的。

はるみどり

やぶきたより6日晩生で、かなやみどりから生まれた品種。煎茶としての品質が極めて高く、高級茶です。

おくひかり

山間部などの寒い地域でも栽培することができる珍しい品種。香りが強く、味もはっきりしています。

おくみどり

作付面積は国内3位で、主に、鹿児島・三重・京都・静岡あたりで栽培されています。

自然な甘さとマイルドな口当たりで後味スッキリの味わいです。香り高いので特にお茶の香りを楽しみたい人におすすめの品種です。

べにふうき

品種登録は平成5年と他の品種に比べて歴史は浅いものの日本茶だけでなく、和紅茶品種としても有名な品種。メチル化カテキンが多く含まれているので、抗アレルギー効果が期待できるお茶として話題になっています。