March 16, 2020
日本のお茶の産地|鹿児島県

あまり知られていませんが、鹿児島県のお茶の生産量は全国第2位。しかもその生産量は年々増えており、静岡県に迫る勢いです。平成29年の生産量は26,600トンと、国内生産量の約32%にあたります。

品種としては、「やぶきた」を筆頭に「ゆたかみどり」「さえみどり」「あさつゆ」「おくみどり」などが栽培されています。中でも「ゆたかみどり」は、鹿児島県が最大の生産地であり、日本全国で「やぶきた」に次いでシェア第2位の品種です。

今回は、そんな鹿児島県のお茶づくりの歴史や産地をご紹介します。

鹿児島県の新茶は日本一早い?

本土最南端のお茶どころである鹿児島県では、その温暖な気候と日照時間の長さから、新茶の出荷が日本で一番早いことも特徴です。

通常静岡や京都では4月の中旬から5月上旬にかけて収穫がされるのに対し、鹿児島は4月上旬から、種子島では3月下旬から、収穫が始まります。この新茶は「走り新茶」または「大走り新茶」とも呼ばれ、最も早く市場に出回るお茶となります。

また、鹿児島県は出荷の期間が長いのも特徴です。4月の一番茶から10月の秋冬番茶まで、煎茶を中心にさまざまなお茶が生産されています。

鹿児島県のお茶づくりの歴史

鹿児島県でお茶の栽培がはじまったきっかけには、いくつかの説があります。

ひとつは、鎌倉時代の初期、平家の落人によって金峰町阿多・白川に伝えられたという説。もうひとつは、室町時代に、宇治からお茶の種を取り寄せて吉松町(いまは合併により湧水町)に蒔いたという説です。

その後、島津藩政時代にお茶の栽培が奨励されるようになりましたが、本格的なお茶の栽培や生産がはじまったのは、第二次世界大戦以降のこと。

後発地域としての利点を生かし、機械化による低コストかつ大量生産の設備を早期から導入し、その生産量を大きく伸ばしました。平坦な栽培地が多いのも、機械化が大きく進んだ要因の一つです。

農業の法人化も進んでいて、大規模な農家が多いことも鹿児島県のお茶栽培の特徴といえます。市区町村による農耕地の管理が行き届いているので、放棄農地が出にくく、茶農家一人当たりの平均農耕面積が非常に大きいのも、機械化の恩恵の一つです。

鹿児島県のお茶の産地とブランド茶

九州の南端にある鹿児島県では、温かい気候と長い日照時間を生かして、多くの地域でお茶の栽培が行われています。特に南九州市は、茶の生産量が静岡県の市区町村を抑えて全国1位の市であり、日本最大のお茶どころとなっています。

鹿児島県で作られるお茶を、総称して「かごしま茶」と呼び、その中でもブランド茶として有名なのが「知覧茶」です。

知覧茶

元々は南九州市知覧町で作られるお茶のみを示す「知覧茶」ですが、平成29年の市町村合併により、別々のブランド茶であった「知覧茶」「頴娃茶」「川辺茶」をまとめて「知覧茶」として扱うようになりました。

日照時間の長い鹿児島県では、お茶の葉が厚く、苦渋味の強いお茶に育ちます。そのため収穫前には被覆栽培を行い苦渋味を抑え、蒸しを長く行うことでまろやかな味わいに仕上がる深蒸し煎茶の生産が主流となりました。そのため生まれる、濃い緑の水色が最大の特徴です。