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「やぶきた」と「あさつゆ」をかけあわせて生まれた非常に優秀な品種”さえみどり”
日本第3位のシェアを誇る優良品種”さえみどり”はどんな品種なのでしょう。
日本で3番目に多く作られる早生品種”さえみどり”
2019年現在、日本で作られる緑茶のシェアの約4%を占める”さえみどり”は、”やぶきた”、”ゆたかみどり”に次いで3番目に多く作られている品種です。
濃厚な旨味とストレートな香りが特徴的な緑茶用品種”さえみどり”についてご紹介します
"さえみどり"の特徴
さえみどりの特徴は何といっても優れた品質です。
"やぶきた"×"あさつゆ"から生まれた品種
育てやすく収穫量・品質共に優れた”やぶきた”と、甘みと旨みが強く「天然玉露」とも呼ばれている”あさつゆ”。この優良な2つの品種の、良いところ取りで生まれたのが”さえみどり”です。
品質ナンバーワンと称えられる最高級品種で、煎茶のみならず玉露に使われることもあり、なおかつ”やぶきた”に似て収穫量も多いというまさに傑作品種です。
肥料や被覆栽培で旨味をたっぷりと乗せて作られることが多く、クセがないため合組(ブレンド)にも使いやすく、今後に大きな期待がかけられている品種です。
寒さには強いが霜に弱い
“さえみどり”は強い耐寒性を持つ反面、霜の被害に弱く、また耐病性もあまり強くありません。
山間部や北部などの寒冷地では、新芽が出る4月ごろに霜が降りてしまうことがあるため、そういった地域には不向きな品種といえます。
温暖な地域を好む品種なので”さえみどり”ができた当時は、鹿児島県を中心とした南九州で栽培されていましたが、近年ではその高い品質から静岡県や近畿地方でも栽培が進んでいます。
早生品種
“さえみどり”の収穫期は”やぶきた”より5日ほど早く、新茶は4月中旬~5月上旬に収穫される早生品種です。
一般的に新茶時期の茶市場は、流通が早ければ早いほど高値がつく傾向があります。
鹿児島県など南の暖かい地域では3月下旬に収穫が行われる年もあり、品質が高く、他の品種に先駆けて早く作れることから、温暖な気候に恵まれた地域ではより好まれる品種なのです。
“さえみどり”の味わい
味のバランスが良い”やぶきた”と、甘味と旨味が強い”あさつゆ”の味をうまく引き継いだ”さえみどり”
香りや味は比較的さっぱりしていますが、苦渋味が少なく、濃厚な甘味と旨味が楽しめます。
力強く濃厚な味わいのお茶を好む人は少々物足りなく感じるかもしれませんが、トロッと濃厚な旨味を感じられる上品で優雅な味わいは飲む人を贅沢な時間へいざなってくれます。
また、水色も青みがかった美しい緑色なので、大切なお客様へのおもてなしにもおすすめです。