October 12, 2020
茶種|煎茶・深蒸し煎茶

日本で一番飲まれているお茶「煎茶」は、日本茶の生産量の80%を占めています。

日本人なら誰もが無意識のうちに必ず飲んでいる煎茶・深蒸し煎茶の事をみなさんはどのくらい知っていますか?

煎茶・深蒸し煎茶って?

煎茶は、もともと「煎じたお茶」のことを指していましたが、現在では、生茶を蒸して酸化を止め、葉を何段階にも分けて揉んで乾燥させながら、針状に形を整えて製造したお茶のことを煎茶と呼びます。

一般的な煎茶の蒸し時間は30秒〜40秒ですが、その倍の60秒〜80秒かけて蒸したお茶のことを深蒸し煎茶といいます。

また、煎茶は柔らかい新芽で作るので一番茶・二番茶の茶葉を使うことが多いです。

煎茶が生まれたのは今から約300年以上前の江戸時代。

この頃、庶民の間でもお茶文化が広がり、人々が茶葉を煎じて飲んだのが煎茶の始まりです。しかし、この頃はまだ煎じて飲むお茶のことをまとめて煎茶と呼んでおり、お茶の色も黒く味も悪かったそうです。

その後1738年、のちに日本緑茶の祖と呼ばれる永谷宗円が、これまでのお茶の製造方法に工夫を重ねて、新しい製法「蒸し製法」を生み出しました。

この製法により、これまで茶色だったお茶の水色が鮮やかな緑色になり味も格段に改善しました。その後この方法で作られたお茶が日本中に広まり、今の煎茶に至ります。

煎茶・深蒸し煎茶の特徴

煎茶は日光をたっぷり浴びて育った茶葉を使って作られるため、渋味成分のカテキン・苦味成分のカフェインが増加し渋味と苦味を感じますが、旨味成分のテアニンも豊富に含まれているので、渋味・苦味・旨味をバランスよく味わえるお茶です。

水色は深い緑色で、新芽を使っているため清々しく爽やかな香りがします。

深蒸し煎茶は、深蒸しすることで香りが若干弱くなるものの、通常の煎茶より渋味が抑えられ、甘味とコクが出てまろやかな味わいになります。水色は濃い緑色です。

また、深蒸し茶は茶葉が細く抽出しやすいため、水出しとしてのお茶にも向いていたり、通常は茶葉に残ってしまう栄養成分も抽出されるという特徴があります。

煎茶・深蒸し煎茶の成分の特徴

不発酵茶は発酵のプロセスが無いため成分や栄養素の変化が起こりにくく、茶葉がもともと持っている豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。

ビタミンCやアミノ酸をはじめ、抗酸化効果が期待できるタンニン、免疫強化やガン予防に効果的とされるβカロチンなど多くの栄養成分がぎゅっと詰まっています。

煎茶・深蒸し煎茶の製造工程の特徴

煎茶のような不発酵茶を作るには、まず最初に蒸すことで酸化酵素の働きを止め、茶葉の酸化発酵が進まないようにします。このことを「失活」といいます。

その後さまざまな方法で繰り返し揉み、茶葉を柔らかくしながら水分を抜き、乾燥させます。 その後火入れ(焙煎のようなもの)と選別を繰り返し、最後に品質を均一にするためにブレンドを行い、やっと完成です。

煎茶の産地

日本で最も生産量の多いお茶である煎茶は、静岡県埼玉県三重県京都府福岡県鹿児島県など、お茶作りを行っている全国の各地で作られています。

煎茶の飲み方

煎茶はティーバッグでもよく売られているので手軽に飲むことができますが、やはり茶葉から淹れて飲むお茶は格別です。

茶葉の目安は2人分で4グラムほど。

使うお湯は熱湯でも問題はありませんが、高温だと苦味渋味も抽出されてしまうので、高級な煎茶なら80度前後の温度が低めのお湯を使い、茶葉の旨味成分だけを抽出して味わうのがベストです。

深蒸し茶の場合は、湯のみの底に溜まった茶葉にも旨味成分や栄養分がたっぷり含まれているので是非最後の一滴まで楽しんでください。

<関連リンク>

不発酵茶(緑茶)の製造方法について

煎茶・深蒸し煎茶の淹れ方

緑茶に含まれる成分について