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近年、世界的に注目が高まりつつある「和紅茶」の中でも、最も多く目にするであろう品種が、この”べにふうき”。
花粉症対策としても有名な、”べにふうき”という品種について紹介します。
日本で初めての紅茶・半発酵茶用品種
普段から日本中の和紅茶を飲む私たちですが、その中でも最も多く出会うのがこの”べにふうき”です。
そもそも日本では、紅茶用の品種はその数自体が少なく、登録されている全119品種の内、紅茶用はたったの13品種のみ。釜炒り茶用の品種や、緑茶用ではあるものの紅茶としての品質が高いものを含めても、20品種ほどしか存在していません。
そんな中でも、紅茶としての品質に優れ、和紅茶の品質向上にも大きく貢献しているこの”べにふうき”。日本で最も人気な紅茶用品種であるこの”べにふうき”の特徴をご紹介します。
”べにふうき”の特徴
アッサム種の血を持つ品種
”べにふうき”は、母に同じく国産の紅茶用品種である”べにほまれ”を。父にインド原産の品種を持つ、紅茶・半発酵茶用の茶品種です。
日本で作られるほぼ全ての茶品種が中国種である中、アッサム種の血が流れるこの品種は、やはり紅茶に加工した際の品質が非常に高いのが特徴的です。
日本の気候に合わせて作られた耐寒性・耐病性
日本で初めて作られた紅茶用品種であるこの品種は、当然、日本の気候でも育てやすいように作られています。
元々温暖な地域で作られるアッサム種の特徴があるため、耐寒性こそ若干低いものの、東海以西の大部分の地域では栽培が可能。耐病性が高いため、無農薬でも育てやすい品種です。
花粉症対策になるお茶
”べにふうき”が一躍有名になった背景の一つに、花粉症対策があります。
”べにふうき”には、「メチル化カテキン」という抗アレルギー作用を持つ成分が非常に多く含まれており、この成分を定期的に摂取することで、花粉症などのアレルギー症状が抑えられることがわかりました。
根本的な治療法のない花粉症の症状を改善できると知り、2000年代に”べにふうき”が一躍有名な品種となりました。
ただし、この「メチル化カテキン」は、茶葉を発酵させてしまうと成分が変化してしまうため、茶葉を発酵させない緑茶の状態で飲むことが推奨されています。紅茶用品種である”べにふうき”を、あえて緑茶で飲まなければ、花粉症対策にならないことには注意してください。
”べにふうき”の味わい
紅茶に適した豊かな香り
アッサム種の特徴を持つこの品種は、加工の過程で発酵を進めることで、非常に多くの香気成分が生まれます。
インドールやリナロール、ゲラニオールなど、大半の緑茶用品種が持ち得ない華やかな香気成分が生まれることで、紅茶としての芳醇で複雑な香りが作り出されるのです。
そのため”べにふうき”の紅茶は、ライチや青リンゴに例えられる爽やかなフルーツの香りや、さつまいものような甘やかな香り、柑橘の酸味を感じる香りなど、産地や生産者によって様々な香りを持っています。
また、アッサム種の特徴としては渋味(カテキン)が強いことも挙げられます。
紅茶ならではの強めの渋味
本来紅茶に加工されることが前提のこの品種。お茶の渋味成分であるカテキン(タンニンとも呼ばれる)の含有量が、通常の緑茶用品種と比べて多い傾向があります。
紅茶として飲むのであれば、あまり渋味は気にならないのですが、花粉症対策として緑茶で飲む場合、通常の緑茶よりも強い渋味に驚かれるかもしれません。
”べにふうき”は品質の高い紅茶!
以上のように、”べにふうき”は紅茶として高い品質を誇る、日本で最初の紅茶用品種です。美味しい和紅茶をお探しの方は、ぜひこの”べにふうき”のものを試してみてはいかがでしょうか?