目次
「不発酵茶」と聞いてもピンとこない人が多いかと思いますが、そんなあなたも実はよく飲んでいるのが不発酵茶。
この記事ではそんな不発酵茶についてご説明します。
不発酵茶って?
不発酵茶とは、茶葉をほとんど発酵(酸化)させずに作ったお茶のことで、私たちが普段から飲んでいる日本茶(緑茶)はこの不発酵茶です。
ちなみにしっかり発酵させた茶葉は紅茶に、半分ほど発酵させた茶葉は烏龍茶などになります。
同じお茶の木から摘んだお茶の葉でも、発酵具合で味も香りも全然違うお茶に仕上がるのは茶葉の面白いところでもあります。
不発酵茶の味・香り・色の特徴
品種やお茶の種類によっても変わりますが、基本的に不発酵茶は味や香りが繊細で、淹れるととても綺麗な緑色になります。
ただし、日本茶には沢山の品種や種類があるため、一概には言えませが、「日本茶の味・香り。色」をイメージした時に頭に思い浮かぶのが不発酵茶のそれと思っていただいて相違ありません。
不発酵茶の成分の特徴
不発酵茶は発酵のプロセスが無いため成分や栄養素の変化が起こりにくく、茶葉がもともと持っている豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。
ビタミンCや、テアニンなどのアミノ酸をはじめ、抗酸化効果が期待できるタンニン、免疫強化やガン予防に効果的とされるβカロチンβカロチンなど多くの栄養成分がぎゅっと詰まっています。
不発酵茶の製造工程の特徴
まず最初に蒸すことで酸化酵素の働きを止め、茶葉の酸化発酵が進まないようにします。このことを「失活」といいます。
その後さまざまな方法で繰り返し揉み、茶葉を柔らかくしながら水分を抜き、乾燥させます。 その後火入れ(焙煎のようなもの)と選別を繰り返し、最後に品質を均一にするためにブレンドを行い、やっと完成です。
不発酵茶の種類
不発酵茶には、煎茶を始めとし、たくさんの種類があります。
煎茶
日本で消費されるお茶の約70%が煎茶です。新茶を摘んだあとにすぐに蒸して揉みます。
深蒸し煎茶
深蒸し 煎茶とは、通常の煎茶より2〜3倍長く蒸して作られたお茶のこと。蒸し時間が長いことで香りは落ちますが甘みが増します。
抹茶
抹茶の原料となるお茶は「てん茶」。てん茶は唯一揉む作業をせずに作られるお茶です。
釜炒り茶
釜炒り製法は中国から伝わった製法で、茶葉を蒸すのではなく、釜で炒って作られたお茶を釜炒り茶と呼びます。炒ることでほかのお茶にはない香ばしい香りがします。
ほうじ茶
通常のほうじ茶は一般的に、緑茶、特に番茶や茎茶を褐色になるまで強火で炒って作られたお茶。香ばしい味と香りが特徴です。
かぶせ茶
かぶせ茶は、煎茶のうち、10日間以上の被覆栽培を行なって造られたお茶のことです。日光を遮ることで旨味成分をたっぷりと蓄えており、「覆い香」と呼ばれる海苔のような香りが特徴的です。