目次
抗酸化作用はお茶が持つ健康効果のひとつで、アルツハイマー・リューマチ・ガンなど、様々な病気のリスクを減らす効能があります。
この記事では、抗酸化作用の基礎情報やプロセス、抗酸化作用の強いお茶などをご紹介します。
抗酸化作用って?
抗酸化作用は、お茶の持つ健康機能のひとつです。
ガンやリューマチなどを予防するほか、組織の老化を防いだり、免疫力を保持したりする効能もあります。
抗酸化作用が起きる仕組み
ここでは、抗酸化作用が起きるプロセスを簡単に見ていきましょう。
そもそも人間の体には「酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する」という仕組みがあります。しかし、精神的なストレスや飲酒、喫煙、紫外線、激しいスポーツなど、様々なきっかけで酸素は「活性酸素」へと変化し、体内に残留します。
活性酸素は最近の侵入を防ぐという身体に重要な役割を持つ反面、悪玉酸素や酸素毒とも呼ばれ、健康な細胞を損傷してリューマチ・肝炎・動脈硬化などの病気を起こす要因の一つです。
本来は活性酸素が増えすぎると、それを消去する酵素が体内で作られ、過剰な活性酸素を減らしてくれるのですが、そのはたらきは生活習慣や年齢とともに衰え、特に40代を境に抗酸化物質の働きは急激に低下すると言われています。
こうして次第に増える活性酸素が、様々な病気を引き起こしてしまうのです。
「抗酸化作用」とは、この活性酸素が生まれるのを防止したり、すでに発生した活性酸素を消したりする役割を担っており、老化や病気の予防に非常に効果的です。
抗酸化作用はどう体に良い?
抗酸化作用は「すべての病気予防につながる」と言われるほど重要な機能です。
抗酸化作用によって罹患のリスクを減らせる主な病気には、以下のものがあります。
- リューマチ
- 肝炎
- がん
- 動脈硬化
- アルツハイマー型痴呆
※参考:芳野恭士ほか(2017)「健康茶の抗酸化作用」『沼津工業高等専門学校研究報告』
どれも生活や命に影響する重大な病気ですが、お茶を飲むことによってこれらのリスクを軽減することができます。
また、抗酸化作用には組織そのものの老化を防いだり、免疫力を保持したりする効果もあります。健康寿命を延ばし、健康で若々しい生活を送るために非常に重要な効果なのです。
抗酸化作用があるお茶の成分
お茶の成分の中でも、最も強い抗酸化作用を持っているのが「カテキン」です。
ビタミンCやビタミンEにも抗酸化作用がありますが、なんとカテキンはそれらの数倍〜数十倍ほどの抗酸化作用を持っています。
お茶は強い抗酸化作用を持つカテキンを含み、同時にβ-カロテン・ビタミンE、ビタミンCなど、抗酸化作用のあるビタミンも含んでおり、抗酸化作用の恩恵を効率よく享受することができる飲み物なのです。
カテキンを多く摂取して、抗酸化作用を得るためには?
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンの成分がしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
カテキンを多く摂りたい場合には、二番茶・三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。