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普段飲んでいる煎茶も、少しの手間とこだわりでぐんと美味しくなることをご存知ですか?
この記事では、年間数百種類のお茶を飲んできたFETCが考える、煎茶・深蒸し煎茶の美味しい淹れ方をご紹介します。
煎茶・深蒸し煎茶を淹れる時のポイント
紅茶やウーロン茶と比べて、繊細な香りと旨味や甘味を楽しめるのが煎茶の魅力です。
清々しく爽やかな香りと、苦味・渋味・旨味のバランスを楽しむために気を付けていただきたいのは2点。
お湯の温度と茶葉・お湯の量です。
煎茶を淹れるお湯の温度は?
お茶は、お湯の温度が高ければ高いほど、渋味と苦味が強く抽出されます。
これは、渋味成分であるカテキンと苦味成分であるカフェインの溶出温度が高いためで、その逆に旨味成分であるテアニンなどのアミノ酸は低温でも抽出がされやすい成分です。
そのため、高い温度では苦渋味がしっかりと出たお茶に、低い温度だと苦渋味が抑えられ、旨味や甘味を感じやすいお茶になるのです。
おすすめの温度は玉露や上級茶で50〜70度、通常の煎茶で60度〜80度前後ですが、茶葉や好みによって異なりますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
参考:お茶の味わいと温度の関係
また、水には軟水と硬水がありますが、煎茶など日本のお茶に合う水は軟水です。
日本の水道水は軟水ですので、そのまま使って問題ありませんが、水道水の場合はカルキを抜くとために、一度沸かしてから冷ますと良いでしょう。
茶葉は1gにつきお湯30ml!
美味しいお茶を淹れるためには、茶葉とお湯の量は多すぎても少なすぎてもいけません。
煎茶の場合、ベストな分量は茶葉1gに対してお湯30mlです。
お茶を淹れる際の失敗の多くは、茶葉に対してお湯を入れすぎること。はかりを使って正確に計量し、美味しい一杯のために分量をこだわってみてください。
煎茶・深蒸し煎茶を淹れる前に
美味しい煎茶を淹れるのに必要な道具は以下の通りです。
使う道具
- 急須
- 湯のみ(茶碗)
- 茶さじ
- 鉄瓶
- 湯冷まし
急須には、陶器製、ガラス製、プラスチック製など様々な素材の物があり、また網の形(茶こし)にも違いがあり、淹れるお茶の味にも影響します。
鉄瓶や湯冷ましは、なかなかご家庭にはないと思いますが、使うといつものお茶がより美味しく楽しめます。
煎茶・深蒸し煎茶の淹れ方
- 茶葉:4g
- お湯:120ml(70度)
分量は一杯分です。茶葉1gに対して30mlを守ってもらえれば、どれだけ淹れていただいても構いません。
今回のレシピは、お茶の二煎目・三煎目を楽しむというよりも、一杯の美味しさを追求したレシピです。二煎・三煎と楽しむ場合はこちらのレシピを参考にしてみてください。
①お湯を沸かす
まずは湯を沸かします。
水道水を使う場合は、一度沸騰させることでカルキが抜け、より美味しいお茶が楽しめます。
②70度まで湯冷しをする
温度調節機能のついたケトルが無い場合は、沸騰したお湯を湯冷ましに注いで温度を下げます。
湯冷しがない場合は、沸かしたお湯を人数分の湯のみに注ぎます。
③茶葉を4g計る
はかりを使い、正確に茶葉を計ります。
④お湯120mlを急須に注いで蒸らす
冷ましたお湯をゆっくりと急須に注ぎ、茶葉を蒸らします。
煎茶なら120秒、深蒸し煎茶なら80秒程待ちます。
この間、蓋は開けたままにしておいてください。湯温がゆっくりと下がり、よりお茶の旨味が楽しめるようになります。
⑤手返しをしながら湯呑みに注ぐ
あとは湯呑みにお茶を注ぐのみですが、この際、急須を「手返し」しながら淹れてみてください。
「手返し」とは、以下の写真のように急須を手首で揺すりながら淹れる技法のこと。
これをすることによって急須の中で茶葉が擦れ合い、成分がより多く抽出されるため、濃厚な味わいを楽しむことができます。
急須はこのように、手のひらで取手を握り、蓋がずれないように親指で支えるように持ってください。
⑥最後の一滴まで注ぎ切る
急須に残った最後の一滴は、お茶の旨味をたっぷりを吸った黄金の一滴です。
急須を縦に2〜3回、優しく振って最後の一滴まで注ぎ切るようにしましょう。
⑦お茶の香りと旨味を楽しむ
煎茶の美味しさはなんと言ってもその香りと旨味です。
湯呑みから立ち上る香り、舌に広がる旨味とそれを引き締める渋味と苦味のバランス、最後にスッと鼻に抜けていく香りまで、心ゆくまで楽しんでください。
お茶は出がらしまで食べられる?
実はお茶の出がらしは意外にも美味しく食べられるのです。
茶葉に溶け残った豊富な栄養分をまとめて摂ることができる「お茶のおひたし」も、是非試してみてください。