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「テアニン」はお茶に含まれるアミノ酸類の一種で、ストレス解消や全身の血行を良くする効能を持っています。
ここでは、テアニンの基礎知識や詳しい効能、テアニンを多く摂れる方法までご紹介していきます。
テアニンって?
「テアニン」とは、お茶に特有のアミノ酸の一種です。
お茶にはテアニン以外にも、以下のようなアミノ酸類が含まれています。
- グルタミン酸
- アルギニン
- アスパラギン酸
- セリン
- その他
中でもテアニンは、お茶に最も豊富に含まれるアミノ酸で、お茶に含まれるアミノ酸類全体の50%程度をテアニンが占めています。
テアニンはお茶の甘味・旨味成分
テアニンはお茶の甘味や旨味を構成する成分です。お茶の旨味は、テアニンとその他のアミノ酸との相乗効果で作り上げられています。
コーヒーやココアには含まれず、お茶を飲むことでしかテアニンの演出する爽やかな甘味や旨味を感じることはできません。
テアニンを発見したのは日本人
テアニンは、1950年に酒戸弥二郎という人物によって、玉露から発見された成分です。
テアニンという名前の由来もお茶にあり、チャの古い学名である「thea sinensis」にちなんで「theanine」と名付けられました。
テアニンの効能
お茶特有の成分であるテアニンには、以下のような効能があります。
リラックス効果
テアニンはお茶の旨味・甘味を司るだけではなく、摂取することで「脳から出るα波が上昇する」という効能があります。
α波とは「リラックスしているときに出る脳波」のことで、科学的には「動物の脳が発生する電気的信号(脳波)のうち、8〜13ヘルツ成分」を指します。
(参考:浅野祐太(2010)「アルファ波とリラックス効果に関する研究」平成22年度電気関係学会東北支部連合大会)
このα波が脳から出ると、以下のような効果が得られます。
- 記憶力の向上
- 集中力のアップ
- 全身の筋肉がほぐれ、血行が良くなる
- ストレスが緩和される
このように、多くの効能を享受できることから、海外ではテアニンを抽出したサプリメントなども販売されており、その健康効果からリラックスをしたい時や集中力を高めたい時などに効果的です。
カフェインの興奮を抑制する
お茶には興奮作用を持つカフェインが含まれており、本来であればお茶にはコーヒーのように強い興奮作用があるのですが、実際にそのような興奮は感じられず、とても穏やかな興奮作用で留まります。
これは、カフェインの興奮作用をテアニンが抑制するためです。
そのため、カフェインから得られる興奮作用をマイルドにし、穏やかな興奮を持続させることができます。
お茶からテアニンを摂るためには?
テアニンは、お茶の中でも特にかぶせ茶・玉露・抹茶などの高級茶に多く含まれる傾向があります。これは、被覆栽培によってテアニンからカテキンが生成されるのを抑制して作られるためです。
また二番茶・三番茶よりも、一番茶に多く含まれており、一番茶の中でも若く柔らかい芽により多く含まれます。一番茶の中でもベストなタイミングで摘採されたお茶に、最も多くのテアニンが含まれているのです。
そのため、「テアニンをしっかりと摂りたい」という方は普段よりも少しお高めのお茶を選んでみてください。
また氷水や低温のお湯でお茶を淹れると興奮作用のあるカフェインの溶出が抑えられます。
そのため、高温で淹れた際よりもテアニンのリラックス効果や旨味をはっきりと感じることができるでしょう。
※参考文献:日本茶検定協会監修(2008)『日本茶のすべてがわかる本』農山漁村文化協会