January 04, 2020
緑茶に含まれる成分について

普段から緑茶を飲む方はたくさんいらっしゃると思いますが、その中でも緑茶に含まれている成分にまで詳しい方は少ないのではないでしょうか?

紅茶や烏龍茶と違い、ほとんど発酵(酸化)をさせずに作られ、ほうじ茶のような茶葉の加熱も行わずに作られる煎茶は、成分や栄養素の変化が起こらないため、茶葉が持つ豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。

ただし、一言に緑茶といっても、緑茶の中にも種類があります。ここで緑茶と呼ぶのは、一般的な煎茶・深蒸し煎茶・かぶせ茶・玉露といった、加工の過程が煎茶とほぼ同じ種類のお茶だという前提で話していきます。

それでは、緑茶に含まれる成分について見ていきましょう。

緑茶に含まれる成分

前述の通り、烏龍茶や紅茶と比べて成分の変化が少ない緑茶には、茶葉本来が持つ栄養や成分がそのまま残っています。

ただし、成分によっては水に溶け出しにくい物質もあるため、栄養を全て摂取しようとすると、お茶を入れた後の出がらしごと食べる必要があります。

実はこの出がらし、お浸しのようにして食べるととても美味しいので、ぜひ試してみてください。

<参考リンク>

お茶の出がらしは食べられる?お茶のおひたしの作り方

アミノ酸

お茶の旨味成分であるアミノ酸には、テアニン・グルタミン酸・アスパラギン酸・アルギニン・セリンなどの種類があり、中でもテアニンはお茶に特有のアミノ酸で、およそ50%のアミノ酸がこのテアニンで構成されています。

茶葉には、日光を浴びるとテアニンを分解してカテキンを作り出すという特徴があります。

玉露やかぶせ茶が被覆栽培で作られるのは、旨み成分であるテアニンをたっぷりと含んだ状態で収穫をするためなのです。

アミノ酸は低温でも時間をかけることで抽出が進むため、水出しのお茶にもアミノ酸が含まれています。

<参考リンク>

夏に飲みたい!水出し・氷出し茶の作り方

カテキン

フラボノイド系のポリフェノールの一種であり、タンニンとも呼ばれるカテキンは、お茶特有の渋み成分です。カフェインとともにお茶の苦渋味を構成する成分で、70℃以上で抽出がされやすい物質です。

前述の通り、玉露やかぶせ茶は被覆栽培で作られるため、テアニンがカテキンに変化しずらく、通常の煎茶と比べると含まれるカテキンの量が少ない場合が多いです。

カフェイン

苦味成分であるカフェインは、茶葉の加工段階では分解・変化の起こらない物質です。ですので、茶葉自体に含まれるカフェイン量が多ければ、加工後にも多くのカフェインが含まれています。

カフェインは茶葉の重量の3%ほど含まれており、この量は同量のコーヒー豆と比べると2〜3倍ほどです。しかし、一杯あたりの使用量が異なることや、コーヒー豆は粉砕することでカフェインが抽出されやすくなっていることもあり、一杯あたりの飲用するカフェイン量は、コーヒーの方が多くなります。

カフェインは低温(50〜60℃)ではあまり抽出がされず、高温だと抽出が進みやすい物質です。煎茶の場合は60〜70℃程度の低温で淹れることが多いので、抽出されるカフェインの量は少ない場合が多いです。

サポニン

茶葉にごく微量含まれる物質であるサポニンは、お茶の苦味を構成する物質の一つであり、界面活性剤としての特性を持ち合わせているため、お茶が泡立つ原因の物質でもあります。

非常に微量なので効能は期待できませんが、緑茶のエグ味・苦味を左右する物質です。

香気成分

お茶の場合、生葉の時点では香気成分はあまり含まれていません。茶葉の発酵(酸化)の過程で生まれる場合が多い香気成分は、紅茶や烏龍茶には非常に多くの種類が含まれていますが、緑茶の場合、収穫直後に失活(酸化酵素の働きを止めること)させてから加工に移るため、含まれる香気成分は少なくなります。

紅茶や烏龍茶には600種類ほど、緑茶の場合は200種類ほどの成分が確認されています。

ジメチルスルフィド

玉露やかぶせ茶、煎茶の中でも上質な茶葉の中には、「覆い香」と呼ばれる海苔のような香りを持つ茶葉もあります。その香りを構成する物質が、ジメチルスルフィドです。

実はこの物質自体は悪臭成分なのですが、茶葉に含まれているのがごく微量であることと、他の香気成分との相乗効果により、上品なお茶の香りとなっています。

ただし、揮発点が36℃と低いため、加工直後から次第に香りが弱くなるという特徴もあります。加工直後の茶葉や、パッケージを開けたばかりの茶葉からであれば、覆い香をしっかりと感じることができるでしょう。

ジメチルスルフィド自体は茶葉のアミノ酸が変化してできる物質であり、逆に言えば覆い香がする茶葉にはアミノ酸が豊富に含まれていることを意味しています。一般に高級茶と呼ばれるお茶に、この海苔のような香りを持つ場合が多いのはそのためです。

香りよく、しっかりした旨みを持つ上質なお茶の目印ともいえる重要な成分です。

ビタミン

煎茶の茶葉にはビタミンA、C、E、B群、またビタミンAの前駆体となるβカロテンが豊富に含まれています。

その内、水溶性ビタミンであるビタミンCとビタミンB群は水に溶け出すため、煎茶を飲むことで摂取ができますが、それ以外の脂溶性のビタミンを摂取するには、茶葉を自体を食べる必要があります。

クロロフィル(葉緑素)

植物の緑色の色素成分であるクロロフィル(葉緑素)は、当然茶葉にも含まれています。光合成に重要な役割を果たす成分なので、玉露やかぶせ茶のように被覆栽培で育てられると、少ない光量をより効果的に吸収しようとしてクロロフィルが大量に生成されます。

ただし、クロロフィル自体は脂溶性の成分なので、水には溶け出しにくく、お茶を飲むだけではほとんど摂取できません。  

緑茶には成分と栄養がいっぱい

以上のように、緑茶には様々な成分や栄養が含まれています。品種や加工方法によって少しずつ種類や分量が違い、それが緑茶の違いに繋がるのです。