玄米茶とは?健康に良い理由と効果を解説
玄米茶の健康効果を科学的根拠と共に解説。抗酸化作用や血糖値安定など、日々の飲用で得られるメリットを紹介。
茶種|釜炒り茶
お茶は発酵度合いで「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」に分けられます。
私たちが飲む緑茶は「不発酵茶」で、不発酵茶には蒸気で蒸して作る「蒸し製法」と、釜で炒って作る「炒り製法」がありますが、主流は蒸し製法。
炒り製法で作られたお茶「釜炒り茶」は日本では非常に生産量が少なく、その希少さから「幻のお茶」といわれています。
釜炒り茶って?
釜炒り茶は文字通り、釜で炒って作られたお茶のことです。
日本のお茶は95%以上が蒸し製法で作られており、大変な手間と技術が必要な釜炒り茶は全体の1%未満。まさに幻のお茶です。
釜炒り茶の始まりは15世紀頃に中国から九州に伝えられたといわれています。
当時のお茶といえば、蒸して固めたものを粉にして飲んだり、煮て干したものを沸騰させて飲んだりと、飲むまでに手間がかかっていました。
しかし、炒って作ったお茶(現在の釜炒り茶)はお湯を注ぐだけで飲めるという手軽さでまたたく間に世間に広まり、今に至ります。
日本では希少なお茶ですが、中国茶のほとんどはこの釜炒り茶です。
釜炒り茶の特徴
蒸して作られる茶葉は細くなるのに対して、釜炒りした茶葉は丸い形をしていることから「玉緑茶」と呼ばれることも。
釜炒り茶の特徴は「釜香」と呼ばれるその香りで、茶葉を釜に入れ、火で炒った時の香ばしい香りがそのまま茶葉についています。
緑茶独特の、苦渋味が少なくあっさりとした口当りのお茶です。
釜炒り茶の成分
不発酵茶は発酵のプロセスが無いため成分や栄養素の変化が起こりにくく、茶葉がもともと持っている豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。
ビタミンCや、テアニンなどのアミノ酸をはじめ、抗酸化効果が期待できるタンニン(カテキン)、免疫強化やガン予防に効果的とされるβカロチンなど多くの栄養成分がぎゅっと詰まっています。
釜炒り茶の製造工程
釜炒り茶は、通常緑茶で行う工程「蒸し」をしない代わりに「炒り」を行います。 生の茶葉を釜に入れて炒ることで失活させるのです。
炒りの作業には豊富な経験と技術を要するため、専門の職人さんが行います。
釜炒り茶の産地
釜炒り茶は主に九州で生産されており、お茶の有名な産地である静岡や京都でもほとんど作られていません。
現在は、佐賀県・熊本県・長崎県・宮崎県の自然豊かな山の中で生産されています。
九州での生産が盛んな理由は、「釜炒り茶が中国から伝えられたのが九州だったから」といわれています。
釜炒り茶の飲み方
飲み方は緑茶や煎茶を飲むときと同じで、80度前後のお湯を使って淹れます。釜炒り茶は水出しで飲んでも美味しいですよ。
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茶種|抹茶・碾茶
飲み物としてはもちろん、お菓子などにも使われ、国内だけでなく海外でも高い人気を誇る抹茶。
茶道で使うお茶から、若者が好む流行りのスイーツまでその用途が幅広い抹茶と、その原料である碾茶(てん茶)についてご紹介します。
抹茶・碾茶って?
抹茶は知っていても碾茶(てん茶)を知らない人は多いのではないでしょうか。
碾茶は抹茶の原料となるお茶のことで、煎茶のように急須に入れて飲むお茶ではありません。
碾茶の多くは玉露と同じように20日間前後の被覆栽培で作られ、青海苔のような独特の香りと、まろやかでコクのある味わいです。
中国茶の甜茶(てんちゃ)と混同されることがよくありますが全く別のお茶です。
抹茶は、碾茶を細かく挽いたもので、茶道で使われているお茶です。
私たちがよく飲んでいるお茶は煎茶で、その煎茶ができたのは1783年。それ以前はお茶といえばこの抹茶でした。
茶道を思い浮かべ「抹茶は苦い」というイメージを持つ人も多いかと思いますが、実は抹茶は渋味苦味が少ない茶葉なんです。
抹茶は最近ではお菓子など、本来の飲み方以外での需要が増えたことで、食品加工用に被覆せずに栽培した碾茶を使って作られた抹茶もあります。
抹茶・碾茶の特徴
抹茶は碾茶をかなり細かく粉砕した微粒子になるため、湿度・温度・光などの影響を受けやすく、丁寧に扱わなければいけません。また飲み方もほかの緑茶とは異なります。
抹茶になる前の碾茶は滅多に市場に出ないため見る機会はなかなかありませんが、形状は青海苔によく似ています。
もともと被覆栽培で作るのが基本でしたが、お菓子などの原料になるものは被覆せずに栽培されることがあります。
また、碾茶がティーバッグやペットボトルのお茶になることはほとんどありません。
抹茶・碾茶の成分の特徴
抹茶の成分自体は玉露と大きな違いはありません。
しかし、お茶の葉から抽出して飲む通常のお茶と違い、細かく粉砕した茶葉をそのまま丸っと飲むため、煎茶などでは茶葉に残ってしまい、摂取できない成分もまとめて摂取できるのが特徴です。
脂溶性ビタミンやカテキンなど、健康や美容に良いとされている成分を沢山摂取できることから、最近は国内外で「スーパーフード」とも呼ばれています。
抹茶・碾茶の製造工程の特徴
碾茶は基本的には被覆栽培で作られます。摘み取る前の20日前後に茶畑に覆いをして太陽光を遮断し、茶葉をじっくり育てます。こうすることにより、苦味渋味が少なく、甘味旨味が強いお茶に仕上がります。
製造方法でも、揉捻(茶葉を揉むこと)のプロセスがなく、ただ乾燥させるだけという特徴があります。
また、お菓子などの原料になる碾茶は通常の煎茶の栽培と同じ方法で作られることもあります。
抹茶・碾茶の産地
抹茶・碾茶は全国各地で作られていますが、ここでは特に有名な産地をご紹介します。
京都府
碾茶の生産量が日本一の京都。
中でも城陽市上津屋の浜茶は平成29年度の全国茶品評会のてん茶の部で全国1位に輝き、その茶畑の景観が、日本遺産に認定されました。
碾茶の栽培方法「被覆栽培」は京都で開発されたといわれています
愛知県
特に愛媛県西尾市は、砂混じりの豊かな土壌と適度な湿度などの環境が碾茶の栽培に適しており、昔から盛んに栽培されてます。
西尾市では新芽を丁寧に手摘みする農家も多く、約150ヘクタールある茶園で高品質の碾茶が栽培されています。
抹茶・碾茶の飲み方
抹茶は、茶筅を使って点(た)てて飲みます。
点てたてが美味しいので温かいうちに飲みきりましょう。
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茶種|玉露
お茶に詳しくなくても「玉露」と聞いて高級なイメージが湧く人は多いのではないのでしょうか。
お茶の中でも「お茶の王様」とも呼ばれる最高級のお茶、玉露についてご紹介します。
玉露って?
玉露とは最高品質の煎茶のことです。
製造方法は通常の煎茶と同じですが、栽培方法が異なります。摘み取り前の20日前後を日光を遮断して栽培することで、旨味をたっぷりと蓄えさせるのが、玉露の特徴の一つです。
日本の茶葉全体の年間生産量が86,300トンに対し、玉露の生産は240トン程度。400分の1程度の生産量しかありません。特に最上級品となれば年に一度しか摘採されないものもあり、大変希少なお茶として扱われています。
玉露の歴史
玉露はそもそも「高級な煎茶」を開発しよう研究された上で誕生したお茶なのです。
1835年に有名な茶商「山本山」の6代目山本嘉兵衛が煎茶に被覆栽培を行ったことから誕生しました。
そこからは諸説ありますが、新芽が「甘露の味がする」と評価されたことから「玉露」と名がついたともいわれています。
玉露の特徴
手間ひまをかけて作られた玉露は味もその価格も抜きん出ています。
一番茶の手摘みなど、最高級のものだと煎茶の20倍ほどの価格がつくことも。
被覆栽培という特殊な栽培方法により生まれた茶葉は、深く濃い美しい緑色の水色、濃厚な甘味・旨味とコクがあるまろやかな味わい、覆い香と呼ばれる独特な香りを持ち、飲んだ人を感動させるほどです。
玉露の成分の特徴
煎茶に含まれるビタミンやカリウム、カフェイン、タンニン(カテキン)はもちろんのこと、玉露にはアミノ酸の一種であるテアニンが豊富に含まれています。
テアニンは旨味のもととなるだけでなく、神経機能や精神に働きかける作用があるため、リラックス効果や睡眠改善効果、さらには認知症予防などの幅広い効果が期待されています。
逆に、太陽光を浴びることで作られるカテキンがほとんど含まれていないので苦味が少ないお茶でもあります。
玉露の製造工程の特徴
玉露の製造工程は煎茶と同じですが、栽培方法が異なります。
玉露は摘み取りの3週間前からの約20日間は太陽光を遮る被覆栽培を行います。
お茶の葉は日光を浴びることで渋味が増すので、それを防ぎ、さらに旨味をたっぷり蓄えさせるのが目的です。
摘採も基本的には手摘みで行うので、玉露の栽培はほかのお茶と比べて手間と時間がかかります。
玉露の産地
玉露は全国各地で作られていますが、特に有名なのが京都府の宇治と福岡県の八女です。
京都府の宇治
玉露と抹茶の原料となる碾茶の生産量が日本一の京都。
中でもお茶の有名な産地である宇治は、お茶を求めて国内だけではなく海外からも多くの人が訪れます。
玉露独自の栽培方法「被覆栽培」はここ宇治で開発されたといわれており、宇治には多くの玉露ブランドがあります。
「宇治の玉露」はまさに高級の代名詞。手間と時間をかけ、手摘みした一番茶を使った玉露は世界が認める最上品質のお茶です。
福岡県の八女
福岡県の玉露の生産量は、京都府に次いで日本二位です。
福岡県が玉露を作り始めたのは明治12年。
八女は霧が発生しやすい土地で、霧が太陽光を適度に遮ることでアミノ酸を豊富に含む茶葉が育ち、昔から「天然の玉露」として重宝されてきました。
そんな八女の玉露は日本トップクラスの品質をもち、全国茶品評会で過去に10年連続農林水産量を受賞したり、玉露の部で1位〜26位までの全てを独占するなど、常に高い評価を得ています。
玉露の飲み方
煎茶を淹れる最適な温度は80度前後ですが、玉露の場合は60度前後。煎茶と同様、低温で抽出することで旨味だけを楽しむことができます。
また高級玉露は、少しだけ口に含み、味や香りをゆっくり楽しむという嗜むような飲み方をします。
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茶種|煎茶・深蒸し煎茶
日本で一番飲まれているお茶「煎茶」は、日本茶の生産量の80%を占めています。
日本人なら誰もが無意識のうちに必ず飲んでいる煎茶・深蒸し煎茶の事をみなさんはどのくらい知っていますか?
煎茶・深蒸し煎茶って?
煎茶は、もともと「煎じたお茶」のことを指していましたが、現在では、生茶を蒸して酸化を止め、葉を何段階にも分けて揉んで乾燥させながら、針状に形を整えて製造したお茶のことを煎茶と呼びます。
一般的な煎茶の蒸し時間は30秒〜40秒ですが、その倍の60秒〜80秒かけて蒸したお茶のことを深蒸し煎茶といいます。
また、煎茶は柔らかい新芽で作るので一番茶・二番茶の茶葉を使うことが多いです。
煎茶が生まれたのは今から約300年以上前の江戸時代。
この頃、庶民の間でもお茶文化が広がり、人々が茶葉を煎じて飲んだのが煎茶の始まりです。しかし、この頃はまだ煎じて飲むお茶のことをまとめて煎茶と呼んでおり、お茶の色も黒く味も悪かったそうです。
その後1738年、のちに日本緑茶の祖と呼ばれる永谷宗円が、これまでのお茶の製造方法に工夫を重ねて、新しい製法「蒸し製法」を生み出しました。
この製法により、これまで茶色だったお茶の水色が鮮やかな緑色になり味も格段に改善しました。その後この方法で作られたお茶が日本中に広まり、今の煎茶に至ります。
煎茶・深蒸し煎茶の特徴
煎茶は日光をたっぷり浴びて育った茶葉を使って作られるため、渋味成分のカテキン・苦味成分のカフェインが増加し渋味と苦味を感じますが、旨味成分のテアニンも豊富に含まれているので、渋味・苦味・旨味をバランスよく味わえるお茶です。
水色は深い緑色で、新芽を使っているため清々しく爽やかな香りがします。
深蒸し煎茶は、深蒸しすることで香りが若干弱くなるものの、通常の煎茶より渋味が抑えられ、甘味とコクが出てまろやかな味わいになります。水色は濃い緑色です。
また、深蒸し茶は茶葉が細く抽出しやすいため、水出しとしてのお茶にも向いていたり、通常は茶葉に残ってしまう栄養成分も抽出されるという特徴があります。
煎茶・深蒸し煎茶の成分の特徴
不発酵茶は発酵のプロセスが無いため成分や栄養素の変化が起こりにくく、茶葉がもともと持っている豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。
ビタミンCやアミノ酸をはじめ、抗酸化効果が期待できるタンニン、免疫強化やガン予防に効果的とされるβカロチンなど多くの栄養成分がぎゅっと詰まっています。
煎茶・深蒸し煎茶の製造工程の特徴
煎茶のような不発酵茶を作るには、まず最初に蒸すことで酸化酵素の働きを止め、茶葉の酸化発酵が進まないようにします。このことを「失活」といいます。
その後さまざまな方法で繰り返し揉み、茶葉を柔らかくしながら水分を抜き、乾燥させます。
その後火入れ(焙煎のようなもの)と選別を繰り返し、最後に品質を均一にするためにブレンドを行い、やっと完成です。
煎茶の産地
日本で最も生産量の多いお茶である煎茶は、静岡県・埼玉県・三重県・京都府・福岡県・鹿児島県など、お茶作りを行っている全国の各地で作られています。
煎茶の飲み方
煎茶はティーバッグでもよく売られているので手軽に飲むことができますが、やはり茶葉から淹れて飲むお茶は格別です。
茶葉の目安は2人分で4グラムほど。
使うお湯は熱湯でも問題はありませんが、高温だと苦味渋味も抽出されてしまうので、高級な煎茶なら80度前後の温度が低めのお湯を使い、茶葉の旨味成分だけを抽出して味わうのがベストです。
深蒸し茶の場合は、湯のみの底に溜まった茶葉にも旨味成分や栄養分がたっぷり含まれているので是非最後の一滴まで楽しんでください。
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茶種|半発酵茶(中国茶・烏龍茶)
お茶には「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」という発酵具合による種類わけがあります。
この記事ではその中でもあまり耳馴染みのない「半発酵茶」についてご説明します。
半発酵茶って?
茶葉を半分ほど発酵させたお茶のことを半発酵茶といい、その代表的なお茶が「烏龍茶」です。 発酵茶である紅茶と不発酵茶である緑茶のちょうど中間のお茶と考えるとわかりやすいかもしれません。。
本場中国では、半発酵茶の中でも発酵具合によってさらにそこから3種類に分けられています。
半発酵茶の味・香り・色
烏龍茶を思い浮かべていただけるとわかりやすいですが、半発酵茶は香ばしい香りで緑茶に比べて香りが濃いです。 味はほんのり苦味がありますが、コクと深みのある味わいです。
後味がすっきりとしているので、お肉や中華料理など脂っこいものや味の濃いものを食べた後に好んで飲まれます。
半発酵茶の成分
茶葉にはさまざまな成分が含まれていますが、発酵という工程を加えることにより香りを作る香気成分や、色を作る色素成分が生まれます。
お茶の色を左右する成分であるカテキンは、発酵するほど水色(お茶を淹れた時の色)が赤くなるので発酵茶である紅茶の水色は赤ですが、その半分しか発酵していない不発酵茶(烏龍茶)は緑色から赤色に変わる途中の茶色っぽい色で止まっています。
半発酵茶の製造工程
半発酵茶は、生の茶葉を日光の下に干し、その後室内でしばらく広げて炒ります。そして炒った茶葉を濡れた布袋に入れ放置し、そのお茶を揉んで乾燥させて完成です。
発酵茶が湿度の高い部屋に置いてしっかり発酵させることに対し、半発酵茶はお茶を炒ることで発酵を止めます。
半発酵茶の種類
日本ではあまり馴染みがありませんが、中国では半発酵茶の中でも発酵度合いによってお茶の名称が変わります。
白茶(パイチャ)
半発酵茶の中でもっとも発酵が進んでいないお茶で「弱発酵茶」ともいいます。この白茶は加工する際に「揉む」という工程がありません。
青茶(セイチャ)
私たちが良く知る烏龍茶はこの青茶にあたります。発酵度合いは種類によって大きく変わりますが、半発酵チャで一番多いのがこの青茶です。
黄茶(ファンチャ)
特別な加熱処理をして作られるお茶です。途中まで発酵させた茶葉を熟成させ流ことによって水色が黄色になるため、黄茶と名称がつきました。
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茶種|発酵茶(紅茶)
みなさんが普段から飲んでいる紅茶の事を「発酵茶」といいます。
この記事では世界で一番飲まれているお茶、発酵茶(紅茶)について詳しくご紹介します。
発酵茶(紅茶)って?
発酵茶とは、茶葉をしっかり発酵させて作ったお茶のことで、「紅茶」がこの発酵茶にあたります。
お茶の品種や種類は沢山ありますが、元を辿ると「中国種」と「アッサム種」の2種類のみ。発酵茶(紅茶)の多くは、茶葉の発酵が進みやすい「アッサム種」の茶の木から作られています。
発酵茶(紅茶)の味・香り・色の特徴
発酵茶(紅茶)は美しい赤色と、華やかで優しい香りと味わいが特徴です。
ただし、発酵茶(紅茶)は山地の気候や風土によって味や香りが大きく異なります。
特に世界三大紅茶に選ばれた紅茶、インドのダージリン・スリランカのウバ・中国のキーモンは、味も香りも独特で、私たちが普段から口にすることが多いペットボトルの紅茶や、ティーバッグの紅茶とは全く異なる味と香りです。
味と香りが幅広いのも発酵茶(紅茶)の特徴であり、魅力です。
発酵茶の成分の特徴
発酵茶(紅茶)には、茶葉そのものの成分に加え、茶葉を発酵することによって作られる成分が含まれています。
アロマのような香りを出してくれる香気成分、お茶の色を美しい赤に変える成分テアフラビン・テアルビジンなどが代表的です。
発酵茶の製造工程の特徴
発酵茶はその名の通り発酵させて作るお茶です。
紅茶の香り・味・コク・水色を作るために重要な酸化酵素を活性化する揉捻(じゅうねん)という作業を行います。
その後、発酵、乾燥・選別(等級分け)などの工程があり、商品として並びます。
発酵茶(紅茶)について
最後に発酵茶の山地や起源をご紹介します。
紅茶の主な産地
日本では緑茶がメジャーですが、実は紅茶は世界20カ国以上で生産されており、世界のお茶の生産量の70%を占めています。中でも特に有名な紅茶の産地をご紹介します。
インド
紅茶大国として有名なインドは、紅茶の生産量もダントツの世界一、その生産量は年間100万トンにも昇ります。
インドで生まれたダージリンは世界三大紅茶の1つに選ばれており、その香りの良さは「紅茶のシャンパン」と称えれるほど。日本でも多く飲まれている紅茶です。ちなみに、ダージリンと同じくらい有名なアッサムもインド産です。
スリランカ
スリランカの紅茶は「セイロン紅茶」と呼ばれ、世界中で愛されています。
世界三大紅茶「ウバ」の生産地であるスリランカでは、主に山脈周辺で栽培されているのですが、その高度によって品質のランクが分かれています。
生産量は世界2位の32万トンです。
ケニア
日本だと、ケニアといえばコーヒーのイメージが強いですが、実は紅茶生産量は世界3位で、その量はスリランカにせまる30万トン。主にヨーロッパに輸出されています。意外と歴史も長く、第一次大戦後から茶園が開拓されています。
中国
世界三大紅茶「キーモン」の産地でもある中国は、烏龍茶などの中国茶の印象が強いですが、実は紅茶の発祥の国でもあります。紅茶の年間生産量は5万トンとほかの紅茶の名産地に比べると少ないですが、近年紅茶生産に力を注いでおり急激に生産量が増えています。
和紅茶
日本で作られた紅茶のことを和紅茶といいます。
あまり知られていませんが、実は明治時代から栽培されていて、食の国際大会で金賞をもらうほど品質の良い紅茶です。万人に好かれるようなクセのないまろやかな味と香りです。
インドネシア
現在の紅茶生産量は世界4位ですが、第二次世界大戦で茶園が燃えてしまう前はインドに並ぶ紅茶大国でした。特徴はセイロンティーに似ており、マイルドでクセのない味わいが特徴ですが、ややコクが足りないため主にブレンド用に使われます。年間生産量は13万トン。
紅茶の起源
お茶の歴史は中国に始まり、その歴史は紀元前までさかのぼりますが、紅茶の歴史は比較的新しく、1720年以降だといわれています。
紅茶の起源には諸説ありますが、福建省に集められていた半発酵茶の「武漢茶」が西ヨーロッパのお茶の主流になり、そこから発酵度を上げたりと試行錯誤し開発を繰り返すことで生まれたのが、今私たちの身近にある紅茶とされています。
その後、紅茶に向いている品種「アッサム種」がインドで発見され、インドやその周辺のスリランカなどでお茶の栽培が活発になり、紅茶が世界に広がりました。
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茶種|不発酵茶(緑茶)
「不発酵茶」と聞いてもピンとこない人が多いかと思いますが、そんなあなたも実はよく飲んでいるのが不発酵茶。
この記事ではそんな不発酵茶についてご説明します。
不発酵茶って?
不発酵茶とは、茶葉をほとんど発酵(酸化)させずに作ったお茶のことで、私たちが普段から飲んでいる日本茶(緑茶)はこの不発酵茶です。
ちなみにしっかり発酵させた茶葉は紅茶に、半分ほど発酵させた茶葉は烏龍茶などになります。
同じお茶の木から摘んだお茶の葉でも、発酵具合で味も香りも全然違うお茶に仕上がるのは茶葉の面白いところでもあります。
不発酵茶の味・香り・色の特徴
品種やお茶の種類によっても変わりますが、基本的に不発酵茶は味や香りが繊細で、淹れるととても綺麗な緑色になります。
ただし、日本茶には沢山の品種や種類があるため、一概には言えませが、「日本茶の味・香り。色」をイメージした時に頭に思い浮かぶのが不発酵茶のそれと思っていただいて相違ありません。
不発酵茶の成分の特徴
不発酵茶は発酵のプロセスが無いため成分や栄養素の変化が起こりにくく、茶葉がもともと持っている豊富な栄養素をほとんどそのまま含んでいます。
ビタミンCや、テアニンなどのアミノ酸をはじめ、抗酸化効果が期待できるタンニン、免疫強化やガン予防に効果的とされるβカロチンβカロチンなど多くの栄養成分がぎゅっと詰まっています。
不発酵茶の製造工程の特徴
まず最初に蒸すことで酸化酵素の働きを止め、茶葉の酸化発酵が進まないようにします。このことを「失活」といいます。
その後さまざまな方法で繰り返し揉み、茶葉を柔らかくしながら水分を抜き、乾燥させます。 その後火入れ(焙煎のようなもの)と選別を繰り返し、最後に品質を均一にするためにブレンドを行い、やっと完成です。
不発酵茶の種類
不発酵茶には、煎茶を始めとし、たくさんの種類があります。
煎茶
日本で消費されるお茶の約70%が煎茶です。新茶を摘んだあとにすぐに蒸して揉みます。
深蒸し煎茶
深蒸し 煎茶とは、通常の煎茶より2〜3倍長く蒸して作られたお茶のこと。蒸し時間が長いことで香りは落ちますが甘みが増します。
抹茶
抹茶の原料となるお茶は「てん茶」。てん茶は唯一揉む作業をせずに作られるお茶です。
釜炒り茶
釜炒り製法は中国から伝わった製法で、茶葉を蒸すのではなく、釜で炒って作られたお茶を釜炒り茶と呼びます。炒ることでほかのお茶にはない香ばしい香りがします。
ほうじ茶
通常のほうじ茶は一般的に、緑茶、特に番茶や茎茶を褐色になるまで強火で炒って作られたお茶。香ばしい味と香りが特徴です。
かぶせ茶
かぶせ茶は、煎茶のうち、10日間以上の被覆栽培を行なって造られたお茶のことです。日光を遮ることで旨味成分をたっぷりと蓄えており、「覆い香」と呼ばれる海苔のような香りが特徴的です。
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茶種|かぶせ茶
お茶は、品種・栽培方法・製造工程などの違いによって、その味や香りもさまざまです。
この記事では、玉露と間違えられやすい「かぶせ茶」をご紹介します。
かぶせ茶って?
かぶせ茶は新芽の育成期間中に覆いをして太陽光を遮る「被覆栽培」で作られたお茶で「冠茶」とも書きます。 同じく被覆栽培で作られる玉露と間違えられることがありますが、玉露ではありません。
玉露とかぶせ茶の大きな違いは被覆期間で、玉露が20日前後被覆することに対して、かぶせ茶の被覆期間は1週間前後。
そのためかぶせ茶は「煎茶と玉露の中間に位置するお茶」と表現されることが多いです。
かぶせ茶の特徴
かぶせ茶は煎茶と玉露の長所を合わせ持つお茶です。
玉露ほど旨味やコクは強くありませんが、苦味が少なく煎茶よりも甘味・旨味があり、まろやかな味わいで、香りも豊かです。茶葉の色も煎茶よりも鮮やかです。
玉露に比べると価格も下がるのでお手軽に高級茶の風味を味わえるのもかぶせ茶のいいところ。
またかぶせ茶はお湯の温度や蒸らし方によって味わいが変わります。低温でじっくり抽出すると玉露のような甘味・コク・旨味が強くなり、熱湯でさっと抽出すると煎茶のような爽やかな味わいになり、抽出温度で味を調節することができるのです。
かぶせ茶の定義
かぶせ茶は摘採前に、わらやむしろ寒冷紗(かんれいしゃ)などを使って茶葉を覆って日光を遮断する被覆栽培で作られたお茶のことです。
かぶせ茶の被覆栽培は玉露に比べると簡易で、被覆期間は1週間前後、遮光率も50%前後ほどです。
かぶせ茶の成分
通常のお茶に含まれているビタミン・タンニン(カテキン)・カフェイン・カリウムなどはもちろんのこと、玉露ほどではありませんが、旨味のもとになるテアニンなどのアミノ酸が豊富に含まれています。
また、日向を遮断することでテアニンがカテキンに変化するのを防ぐことができるため、通常の煎茶と比べてカテキンの含有量が少ないのが特徴です。
かぶせ茶の製造工程
かぶせ茶の製造工程は煎茶などと基本的には同じで、違いは栽培工程にあります。
何度か触れていますが、かぶせ茶は被覆栽培という栽培方法で育てます。
かぶせ茶の産地
かぶせ茶は、福岡県・鹿児島県・奈良県・京都府・静岡県など日本各地のお茶の産地で生産されていますが、特に盛んなのが三重県で、その生産量は日本全体のかぶせ茶の3分の1以上を占めています。
三重県のお茶は伊勢茶と呼ばれており、特に四日市市や亀山市では二番茶までしか摘まないため、高品質なかぶせ茶に仕上がります。
かぶせ茶の飲み方
煎茶を淹れる最適な温度は80度前後ですが、玉露の場合は60度前後。
煎茶と同様、低温で抽出することで旨味だけを楽しむことができます。
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茶種|ほうじ茶
淹れた時の茶色い水色や香ばしい味から、緑茶とは違うお茶だと思っている人もいますが、ほうじ茶は緑茶の一種です。
最近はお茶として飲むだけでなく「ほうじ茶ラテ」「ほうじ茶チョコ」「ほうじ茶アイス」などお菓子やほかの飲み物に使われることも多く、若者からの人気も高いほうじ茶。
この記事ではそんなほうじ茶を詳しくご紹介します。
ほうじ茶って?
ほうじ茶は私たちにとって身近なお茶で、飲む機会が多いにも関わらず、緑茶とは別の種類と思われていたり、番茶と同じだと思われていたりと曖昧に認識されることが多いお茶です。
ほうじ茶は緑茶の一種であり、厳密には番茶とも違い、煎茶や番茶を焙煎したものがほうじ茶です。 一般的には、一番茶の新芽が使われることはほとんどなく、二・三番茶以降の茶葉や茎の部分が使われるので、比較的廉価で身近なお茶です。
ほうじ茶の歴史は曖昧な部分が多く、公式な記録は残されていません。
昭和初期に起きた大不況のあおりを受けてお茶が売れなくなった時代に、売れ残ったお茶を何とか保存できないかと焙煎したのがほうじ茶の始まりという説もあれば、明治時代にはすでに存在していたという説もあります。
ほうじ茶の特徴
ほうじ茶は、茶葉を焙煎することで生まれる香ばしい香りと味わいが特徴のお茶です。 苦渋味がなく、すっきりとした味わいで飲みやすいのが特徴です。
また、もともとカフェインが少ない番茶を使っているので、胃が弱い方・お年寄りでも安心して飲むことができます。寝る前のリラックスタイムにもオススメです。
ほうじ茶の成分の特徴
ほうじ茶には、美容に良いとされるビタミンや、抗がん作用が注目されるタンニン(カテキン)などさまざまな成分が含まれており、最近ではダイエット飲料として飲まれることも。
中でもアミノ酸が加熱されることによって変化してできる「ピラジン」という成分は、ほうじ茶の香ばしい香りの元となる、ほうじ茶の味わいの左右する香気成分です。
ほうじ茶の製造工程の特徴
ほうじ茶は、通常の煎茶の製造工程に加え、最後に焙煎をして作られます。
この焙煎は家庭でも簡単に行うことができます。 方法は煎茶の茶葉をフライパンで煎るだけ。茶葉を焦がさないよう、様子を見ながら弱火で10分程度で完成です。
美味しいほうじ茶ができるだけではなく、部屋いっぱいにお茶の良い香りが広がりますよ。
ほうじ茶の飲み方
ほうじ茶を入れるときは香ばしい香りを出すために高温で入れるのがポイントです。
沸騰したお湯を使い、焙煎で生まれる火香を楽しんでみてください。
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緑茶・ほうじ茶・紅茶 etc.. 日本茶の種類と違いって?
緑茶・ほうじ茶・紅茶・烏龍茶など、お茶にはいろんな種類がありますよね。それぞれ全く違った楽しみ方ができるお茶ですが、今回はそんな「日本茶」についてのお話です。
日本茶って?
「日本茶」とは文字通り、日本国内で生産されるお茶の総称ですが、その種類は多岐に渡ります。日本で最も広く飲まれている煎茶や、香ばしい香りが特徴のほうじ茶、海外でも人気の高い抹茶などが一般的ですが、実は紅茶や烏龍茶も日本国内で生産されている事はご存知でしたか?
そもそも、緑茶も紅茶も烏龍茶も、育て方や加工方法が違うだけで全て同じお茶の木から生まれるんです!
この記事では、皆さんが普段飲んでいるお茶の種類と、意外と知られていないその違いについてご紹介します。
お茶の種類は何で変わる?
煎茶も紅茶も烏龍茶も同じ茶葉からできるのだとしたら、その違いはどこから生まれるのでしょう?
それは、『茶葉の発酵(酸化)の度合い』の違いです。
この「発酵」について補足しておくと、お茶の世界では「発酵」という言葉をよく使うのですが、厳密には「発酵」とは微生物が作用して性質が変化することであり、微生物を使って茶葉を発酵させて作られるのはプーアール茶などの後発酵茶のみです。それ以外の場合、正確には酸化酵素による「酸化」と呼ぶのが正しいのですが、一般的な表現に合わせてここでは「発酵」という言葉を使います。
茶葉は摘み取られたその瞬間から発酵が始まります。この発酵によって茶葉の色や味わい、香りが変化していき、発酵をさせずに加工したものが煎茶(不発酵茶)、半分発酵させたものが烏龍茶(半発酵茶)、最後まで発酵させたものが紅茶(発酵茶)となります。
もちろん品種や育て方によって、紅茶に適した茶葉や煎茶に適した茶葉はありますが、元の植物は全て同じ「チャ」の木から生まれるのです。
お茶の種類
それでは、それぞれのお茶がどんなお茶なのか、一つずつ見ていきましょう。
不発酵茶
まずはほとんど茶葉を発酵させずに作られる不発酵茶。収穫後すぐに茶葉の発酵を止めることで、茶葉の緑色が保たれ、私たちに馴染み深い緑色のお茶になるのです。 不発酵茶=緑茶だと考えてください。
煎茶
煎茶は日本人にとって最も馴染み深く、国内で最も生産量の多いお茶です。
緑茶の風味は普通、食べ物と同様に旨味・甘味・渋味・苦味で表現されますが、煎茶は渋味・甘味のバランスがよく、澄んだ緑色が特徴のお茶です。
皆さんが日本茶と言われて思い浮かべるのは多くの場合、この煎茶でしょう。
深蒸し煎茶
深蒸し煎茶は煎茶の種類の一つで、茶葉を加工する過程で行われる「蒸し」の時間を2〜3倍に長くしたお茶です。煎茶の7割程度は、この深蒸し煎茶として生産されています。
深く蒸す分、茶葉が柔らかく細かくなり、通常の煎茶と比べて水色も味も濃く出るのが特徴です。
玉露
とろりとした旨味と爽快な香りが特徴的な玉露は、日本茶の中でも最高級のお茶です。
玉露は収穫前に20日間以上、茶葉に太陽光を当てないように覆いをして育てられます。茶葉の旨味成分である「テアニン」は、太陽光によって渋味成分である「カテキン」へと変化してします。長い期間太陽光を遮ることで、茶葉の旨味成分が渋味成分に変わるのを防ぐことができ、マイルドな渋味と濃厚な旨味を持つお茶が出来上がるのです。
また、この被覆栽培によって茶葉には、「覆い香」と呼ばれる海苔のような香りも追加されます。この覆い香は玉露や抹茶の特徴的な香りとなっており、高級茶の証拠とも言われています。
水色、香り、味。どれを取っても極上の緑茶といえます。
かぶせ茶
玉露が20日間以上の被覆栽培で作られるのに対し、かぶせ茶は7〜10日間前後の被覆栽培で作られます。50〜60度で淹れると玉露のような旨味が、70度程度で淹れると煎茶のようなバランスの良いお茶が楽しめるお茶です。
価格帯もちょうど玉露と煎茶の中間くらいのお茶なので、ちょっと良いお茶が飲みたい時などにぴったりです。
抹茶
近年フランスやアメリカでブームになっている抹茶は、原料となる碾茶(てんちゃ)を石臼で挽いて作られます。碾茶自体は玉露と同じように、20日間以上被覆栽培をして作られますが、加工の際に茶葉を蒸した後、ひたすら乾燥させて作られるのが特徴です。
茶筅で点てて飲む抹茶は、儀式的な美しさもそうですが、お湯に溶け出さない不水溶性成分も全て取り込むことができるというメリットもあります。
京都の宇治を筆頭に、静岡や三重でも作られています。
茎茶・棒茶
茶の葉の部分ではなく、茎の部分を使ったのが茎茶です。地域によっては棒茶と呼ぶこともあります。特に高級な煎茶や玉露の茎茶は「白折(しらおれ)」と呼ばれ、京都では玉露の茎茶は「雁ヶ音(かりがね)」と呼ばれています。
実はお茶の茎には旨味成分であるテアニンが豊富に含まれており、しっかりした旨味があり、尚且つ茶葉ではない部分を使っているので価格が安く、日常使いに適したお茶です。
釜炒り茶
茶葉を蒸す代わりに、釜で炒ることで茶葉の酸化を止めて作られるのがこの釜炒り茶。中国で生まれた製法で、炒ることで青臭さが消え、「釜香」と呼ばれる香ばしい香りが追加されるのでさっぱりと飲みやすいお茶です。
煎茶と違い、茶葉の形を整える精揉(せいじゅう)のプロセスが無いため、茶葉がぐりっとカールしているのも特徴です。
日本では九州の佐賀 嬉野市を中心に作られています。
番茶
5月に収穫される一番茶の後、6月〜7月に摘まれる二番茶・三番茶や9月に摘まれる秋冬番茶のことを番茶(晩茶とも)と呼びます。茶葉だけではなく、茎を使う場合もあります。
夏の強い日差しの下で育った茶葉は、渋味成分であるカテキンが多く、逆に旨味成分であるアミノ酸の含有量が少ないお茶となります。煎茶や玉露とは違い、渋味や苦味が引き立った、キレのある飲みやすさが特徴です。
最近では価格の安さから、ペットボトルのお茶にも利用されています。
上の写真は番茶の茎の部分を焙じたお茶です。
ほうじ茶
ほうじ茶は文字通り、緑茶の茶葉を焙じることで香ばしい香りを付加したお茶です。焙じることでカテキンが不溶性成分となり、苦味・渋味成分が少なく、身体への刺激が少ないお茶になります。
一般的に、ほうじ茶には番茶や茎茶が使われるので価格も安く、口当たりもさっぱりしているので食事中のお茶に選ばれることも多いお茶です。
玄米茶
お茶と炒り米をブレンドして作られる玄米茶は、炒った米の香ばしさが特徴のお茶です。ほうじ茶同様、香りをプラスして作られるお茶なので、番茶を使うのが一般的です。
発酵茶
お茶の中で、茶葉を発酵させる度合いが最も高いのが発酵茶(紅茶)です。発酵が進むことによって茶葉の色や香りが変化し、苦味・渋味が際立つお茶になります。
紅茶
茶葉の発酵を最小限にとどめて作られる煎茶に対して、発酵を最も進ませてから作られるのが紅茶です。
日本では「お茶」といえば緑茶ですが、実は全世界で作られるお茶の約70%は紅茶です。イギリスをはじめとし、世界のお茶のスタンダードは圧倒的に紅茶なのです。インドのダージリン、中国のキームン、スリランカのウバが三大産地として有名です。
私たちが取り扱っているのは日本産の紅茶で、和紅茶とも呼ばれています。世界的に見ればまだまだ生産量は小さいですが、海外産の紅茶とも比肩する美味しい紅茶もたくさんあります。
半発酵茶
中国・台湾での生産が盛んな半発酵茶は、茶葉の発酵によって独特の香りを引き出します。発酵の進み度合いによって白茶・黄茶・烏龍茶・黒茶といった分類がされていて、緑茶の酵発度を0、紅茶の発酵度を100とするならば、30〜70のものが半発酵茶となります。
烏龍茶
前述の例えでいえば、70くらいの発酵度で作られるのが烏龍茶です。
日本よりも中国や台湾での生産量が圧倒的に多く、発酵の度合いによって緑茶に近いものや紅茶に近いものもあります。
後発酵茶
ここまででご紹介した 不発酵茶・発酵茶・半発酵茶はいずれも、茶葉の酸化酵素による「酸化」で作られるお茶でしたが、後発酵茶は乳酸菌などの微生物によって茶葉の性質を変化させる、本当の意味での「発酵」で作られるお茶です。
中国のプーアール茶や徳島の阿波番茶、高知の碁石茶など、使用する微生物や地域によって様々な種類があります。
プーアール茶
プーアール茶は、中国で盛んに作られている、麹菌によって数ヶ月以上発酵させて作ったお茶です。発酵によって生まれる土を連想させるような独特の香りと、発酵の過程でカテキンが重合カテキンという渋味の薄い成分に変化することで生まれる、まろやかな味わいが特徴です。
長期保存が可能なため、年代物のプーアール茶も存在し、ヴィンテージワインのように高価なものも存在します。
お茶の種類がわかると、お茶はもっと美味しい
以上、日本で消費量の大きいお茶の種類と違いをご紹介しました。それぞれのお茶ごとに、全く違った味わいと楽しみ方があるので、好きなお茶を探してみてください!