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普段から烏龍茶を飲む方はたくさんいらっしゃると思いますが、その中でも烏龍茶に含まれている成分にまで詳しい方は少ないのではないでしょうか?

烏龍茶を楽しむだけなら、成分にまで詳しい必要はないのですが、知っているとその紅茶がどんな特徴を持ったお茶なのか、飲むことで得られる効能が分かったり、烏龍茶に対する解像度が高まります。

今回は、そんな烏龍茶に含まれる成分に関してご紹介していきます。

烏龍茶に含まれる成分

紅茶と煎茶の中間くらいの発酵(酸化)の度合いで作られる烏龍茶ですが、その成分の種類や配分は紅茶とも非常に似ています。特徴的なのは色素成分であるカテキン類と、豊かな香気成分です。

カテキン

フラボノイド系のポリフェノールの一種であり、タンニンとも呼ばれるカテキンは、お茶特有の渋み成分です。ただし烏龍茶の場合、酸化酵素の作用でカテキンがテアフラビン・テアルビジンという物質に変化します。

テアフラビン・テアルビジン

烏龍茶の色を構成する色素成分であるテアフラビンは、カテキンが酸化してできる色素成分です。さらに酸化が進行すると、テアルビジンとなります。

カテキンは無色の成分ですが、テアフラビンはオレンジ色、テアルビジンは真紅の色素成分なので、緑色だった茶葉が烏龍茶らしい茶色っぽい色に変わるのは、これらの物質が生成されるためです。

烏龍茶は紅茶よりも酸化の度合いが低いため、紅茶ほど鮮やかな赤銅色にはなりませんが、烏龍茶の色はこれらの成分で構成されています。

カフェイン

苦味成分であるカフェインは、茶葉の加工段階では分解・変化が起こらない物質です。ですので、茶葉自体に含まれるカフェイン量が多ければ、加工後にも多くのカフェインが含まれています。

カフェインは茶葉の重量の3%ほど含まれており、この量は同量のコーヒー豆と比べると2〜3倍ほどです。しかし、一杯あたりの使用量が異なることや、コーヒー豆は粉砕することでカフェインが抽出されやすくなっていることもあり、一杯あたりの飲用するカフェイン量は、コーヒーの方が多くなります。

カフェインは低温(50〜60℃)ではあまり抽出がされず、70〜80℃から抽出が進みやすくなる物質です。烏龍茶の場合は高温で淹れることが多いので、低温で淹れた煎茶等と比較すると、摂取できるカフェインの量は多いと言えます。

サポニン

茶葉にごく微量含まれる物質であるサポニンは、お茶の苦味を構成する物質の一つであり、界面活性剤としての特性を持ち合わせているため、お茶が泡立つ原因の物質でもあります。

非常に微量なので効能は期待できませんが、烏龍茶のエグ味・苦味を左右する物質です。

アミノ酸

お茶の旨味成分であるアミノ酸には、テアニン・グルタミン酸・アスパラギン酸・アルギニン・セリンなどの種類があり、中でもテアニンはお茶に特有のアミノ酸で、およそ50%のアミノ酸がこのテアニンで構成されています。

アミノ酸は加工の過程ではほとんど増減しないため、烏龍茶の茶葉にも含まれているのですが、玉露かぶせ茶のように被覆栽培を行わないいことや、窒素系の肥料を多くつかわないことから、生葉の時点で含有量が少ないものが多いです。

さらには、お茶を高温で淹れるとカフェイン・カテキンの苦渋味が強く抽出されるため、高温で淹れることの多い烏龍茶は、アミノ酸の旨味よりも苦渋味の方が際立った味わいとなる傾向があります。

香気成分

お茶の場合、生葉の時点では香気成分はほとんど含まれていません。茶葉の加工過程の一つである揉捻(じゅうねん)の際に、茶葉の細胞壁が破壊され、酸化酵素の働きが激しくなることにより、紅茶や烏龍茶に特有の花や果物のような香りが生まれるのです。

ちなみにこの香気成分、緑茶で200種類ほど、烏龍茶と紅茶を含めれば600種類以上の成分が確認されています。

基本的には発酵(酸化)が進めば進むほど、茶葉に含まれる香気成分は増えていくため、紅茶と比べると烏龍茶の香気成分量は小さい場合が多く、その構成成分も大きく変わります。

烏龍茶の場合、レモンのような香りのリナロール、ハーブのような香りのネロリドール、桃やアプリコットのような香りのジャスミンラクトン、花のような香りのインドール、ゲラニオールなど、非常に多くの成分が絡み合いながらその豊かな香りを生み出しています。

ビタミン

茶葉にはビタミンA、C、E、B群が豊富に含まれているのですが、烏龍茶の場合は加工段階で酸化が進んでしまうため、加工後の茶葉にビタミンはほとんど含まれていません。

クロロフィル

茶葉の葉緑素であるクロロフィルですが、烏龍茶の場合は発酵の過程で酸化が進み、クロロフィルはほとんど含まれなくなります。

2023年, 1月 08日