ほうじ茶カフェイン: 知っておきたい意外な事実
お茶の効能|コレステロール
歳をとるごとに気になり出す身体の健康。健康診断の度にコレステロールの数値にビクビクしている、という方も多いのではないでしょうか?
実ははお茶は、血中コレステロール値を下げる効能を持つ飲料。そこで今回は、お茶に含まれるコレステロール値を下げる成分や、効果的な飲み方についてご紹介していきます。
高いコレステロール値のリスク
そもそもコレステロールとは、細胞膜やホルモンの成分であり、人間の身体にとって非常に重要な成分です。
しかしコレステロールには「善玉(HDLコレステロール)」と「悪玉(LDLコレステロール)」があり、このうち悪玉コレステロールは、血管の内側にこびりつき、詰まりやすくさせる性質を持っています。
そのため、悪玉コレステロールが増えすぎると動脈硬化に繋がり、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾病のリスクが高まると言われています。
血中コレステロールが高くなる原因
コレステロールが高くなる原因には以下のものが挙げられます。
- 遺伝
- 欧米スタイルの脂肪の多い食事
- 運動不足
また、男性は40〜50歳ごろ、女性は閉経を迎える頃から特に悪玉コレステロールが高くなる傾向があるため、高齢者にとって悪玉コレステロールを減らすことは、健康を維持する上で重要な課題のひとつです。
※参考:なるほど、なっとく 高コレステロール血症 | 病気の知識 | 患者・ご家族の皆さま | シオノギ製薬(塩野義製薬)
お茶がコレステロール値を下げる
体に様々な悪影響を及ぼすコレステロールですが、お茶に含まれるカテキンの内、「エピガロカテキンがガレート」には、コレステロール値を下げる効果があることが研究によって明らかになっています。
エピガロカテキンガレートはカテキンの一種で、悪玉コレステロールの酸化を抑制する働きを担っています。さらにこのエピガロカテキンガレートは、善玉コレステロールには影響せず、悪玉コレステロールのみを低下させるという特性を持っており、血中コレステロールを低下させるのに非常に適した成分なのです。
コレステロール値を下げるお茶の飲み方
コレステロール値を下げることができるお茶の成分、カテキン。
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンがしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
渋味は一番茶と比べて強くなりますが、肥満予防でお茶を飲む際には二番茶や三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
ほうじ茶の成分について
普段からほうじ茶を飲む方はたくさんいらっしゃると思いますが、その中でもほうじ茶に含まれている成分にまで詳しい方は少ないのではないでしょうか?
煎茶や番茶、茎茶を高温で焙じることで作られるほうじ茶は、その加熱の過程で含まれる成分も変化しています。
褐色の水色や独特の香ばしい香り、渋味と苦味の際立ったキレのある味わいは、どのように生まれているのでしょうか。
今回は、そんなほうじ茶に含まれる成分に関してご紹介していきます。
ほうじ茶に含まれる成分
ほうじ茶の一番の特徴は、「焙煎」です。ローストされた香ばしい香りと、すっきりと飲みやすい味わいを作り出すのは、ほうじ茶特有の加工方法である「焙煎」によるものです。当然成分も、加工前の緑茶から変化しています。
カフェイン
ほうじ茶にはカフェインが含まれていない、という話を聞いたことがある方も多いかと思いますが、実はこれは誤りで、ほうじ茶にもカフェインは含まれています。
カフェインは高温で昇華する特性がありますが、その昇華点は178℃と高く、ほうじ茶の加工は200℃前後なので製品によってはカフェインが昇華しきらず、茶葉に残っているものもあるのです。その場合は煎茶や紅茶と同程度のカフェインが含まれています。
お茶の苦味成分であるカフェインは高温で抽出が進むので、高温で淹れることが多いほうじ茶にはカフェインが溶け出しやすいといえます。
カテキン
フラボノイド系のポリフェノールの一種であり、タンニンとも呼ばれるカテキンは、お茶特有の渋み成分です。加熱では含有量が変化しにくい成分なので、煎茶と同程度のカテキンが、ほうじ茶にも含まれています。
褐色物質(メラノイジン)
ほうじ茶特有の褐色の水色は、褐色物質(メラノイジン)によるものです。
生葉の状態や緑茶にはこの褐色物質は含まれていませんが、加工の段階で加熱されるほうじ茶の場合、アミノ酸と糖類を一緒に加熱することでメイラード反応が生じ、褐色物質であるメラノイジンが生まれるのです。
サポニン
茶葉にごく微量含まれる物質であるサポニンは、お茶の苦味を構成する物質の一つであり、界面活性剤としての特性を持ち合わせているため、お茶が泡立つ原因の物質でもあります。
非常に微量なので効能は期待できませんが、ほうじ茶のエグ味・苦味を左右する物質です。
アミノ酸
お茶の旨味成分であるアミノ酸の、およそ50%はテアニンという、お茶に特有のアミノ酸で構成されています。
ほうじ茶の場合、前述のメイラード反応によりアミノ酸がメラノイジンに変化してしまうため、アミノ酸の含有量が緑茶に比べて少ない場合が多いです。
また、ほうじ茶には番茶が使われる場合も多いため、煎茶や玉露と比べると、そもそも生葉の時点でアミノ酸の含有量が少ない場合もあります。
ピラジン(香気成分)
ほうじ茶の一番の特徴である香ばしい香りは、ピラジンという香気成分に依るものです。このピラジンもまたアミノ酸と糖を加熱した際の反応によって生まれる成分で、お茶以外にも様々な食品を加熱することで生まれる物質です。
ほうじ茶のローストしたような香ばしい香りはほぼほぼピラジンによって構成されており、他のお茶には見られない、ほうじ茶特有の成分です。
ビタミン
茶葉にはビタミンA、C、E、B群が豊富に含まれているのですが、ほうじ茶の場合は加熱の段階でビタミンの酸化が進んでしまうため、加工後の茶葉にビタミンはほとんど含まれていません。
クロロフィル(葉緑素)
植物の緑色の色素成分であるクロロフィル(葉緑素)は、当然茶葉にも含まれています。
熱を加えても破壊されにくいのでほうじ茶のにも含まれていますが、クロロフィル自体は脂溶性の成分なので、水には溶け出しにくく、ほうじ茶を飲むだけではほとんど摂取できません。
ほうじ茶には栄養がたっぷり?
以上のように、煎茶に含まれる成分の種類と含有量のバランスは非常にユニークで、それによって飲むことで得られる効能も他のお茶とは変わってきます。
お茶の効能|認知症
記憶障害や判断力の低下などの症状をもたらす認知症。
お茶は、そんな認知症を予防する成分を持つ飲料のひとつです。
今回は、お茶に含まれる認知症予防の成分や、効果的な飲み方についてご紹介していきます。
認知症のリスクと原因
厚生労働省の調査によると、2020年の日本の65歳以上の高齢者の認知症の発症率は16.7%。高齢化に伴いその数は年々増加し、2025年には20%以上の高齢者が認知症にかかると予想されています。
認知症のリスク
認知症にかかると、以下のような症状が引き起こされます。
- 記憶障害
- 理解・判断力の障害
- 計画を立てて行動できなくなる
- 時間や場所、人との関係がわからなくなる
また、人にうまく自分の気持ちが伝えられないもどかしさから、暴力行為を働いたり、抑うつ傾向になったりするケースも存在します。
認知症の原因
認知症には「アルツハイマー型」「脳血管性認知症」などの種類がありますが、それらの原因としては以下のものが挙げられます。
- 脳内における異常タンパク質の蓄積(アルツハイマー型認知症)
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病(脳血管性認知症)
- 神経細胞の減少(前途側頭葉型認知症)
- レビー小体による脳の神経細胞の破壊(レビー小体型認知症)
特に、日本の中で最も多いのが「アルツハイマー型」の認知症で、全体の7割弱を占めています。
※参考:認知症施策の総合的な推進について(厚生労働省老健局)、認知症の現状と将来推計(三菱UFJ信託銀行)
お茶は認知症を予防する
お茶に認知症を予防する効果があることは、以下のような研究から実証がされています。
- 緑茶を1日2杯以上飲んだ人は、1週間に3杯以下しか飲まない人に比べて、認知障害の割合が半分以下になる
- マウスによる実験で、お茶に含まれる成分が脳組織の萎縮や記憶力の低下を抑制した
認知症を予防するのは、お茶に含まれる「カテキン」です。
アメリカの研究によると、カテキンは特にアルツハイマー型の認知症に効果があることが明らかになっています。
現在日本で最も多い認知症の種類はアルツハイマー型なので、お茶が認知症予防になる可能性は非常に高いのです。
※参考:『日本茶のすべてがわかる本』農文協
認知症を予防できるお茶の飲み方
認知症を予防するお茶の成分、カテキン。
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンがしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
渋味は一番茶と比べて強くなりますが、肥満予防でお茶を飲む際には二番茶や三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
お茶の効能|肥満
肥満になると、高血圧や糖尿病といった疾病のリスクが高まります。そのため、肥満の予防は健康な体を作る上で非常に重要です。
実は、お茶を飲むことは効果的な肥満予防のひとつ。
ここでは、肥満を防ぐお茶の成分や飲み方について解説していきます。
肥満の原因とリスク
2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、日本の20歳以上の人の肥満の割合は男性33.0%、女性22.3%となっており、非常に多くの人が肥満に悩んでいます。
肥満を引き起こす原因としては、遺伝体質や食べ過ぎ、運動不足などが挙げられますが、環境と遺伝の割合は「7:3」であると言われており、食生活よって肥満は改善できると考えられています。
肥満になると、以下のような疾病のリスクが高まります。
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 痛風
- 胆石症
どれも生活や命に関わる重大な病気で、肥満を予防することは、これらの病気のリスクを減らし、健康に暮らすために非常に重要なのです。
肥満を予防するお茶の成分
お茶に含まれるカテキンには、肥満の原因となる「ブドウ糖」の生成を抑制する機能があり、肥満を抑制する効能があります。
BMIが高い肥満の成人男性に、カテキンの量が異なる複数のお茶を飲み比べてもらったところ、カテキンの値が高いお茶を飲み続けた方が脂肪の減少が早まったという調査結果もあります(出典:『日本茶のすべてがわかる本』)。
つまり、お茶を飲み、カテキンを多く摂取することで肥満を予防することができるのです。
カテキンだけじゃない!?陰の立役者
肥満を予防する効果のあるカテキンですが、単独ではそれほど大きな効果を持たず、カフェインとの相乗効果で予防効果が向上すると考えられています。
そのため、肥満予防のためにお茶を飲む場合は、カフェインレスのお茶を避けるようにしましょう。
肥満を予防できるお茶の飲み方
ここでは、肥満を予防できるお茶の飲み方をご紹介します。
高温のお湯で淹れる
カテキンとカフェインは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、80度以上の高温で淹れることで、カテキンとカフェインがしっかりと溶け出したお茶になります。苦渋味はやや強くなりますが、カテキンとカフェインを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキン・カフェインは共に水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれる成分を全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
渋味は一番茶と比べて強くなりますが、肥満予防でお茶を飲む際には二番茶や三番茶を選ぶのがおすすめです。
トクホのお茶を利用する
消費者庁長官の定める「特定保健用食品(トクホ)」のお茶にも、肥満に効果のあるものがあります。
トクホのお茶は科学的に保健機能があると認められたものしか認可されないため、既に効果の実証されているものしか製品化されていません。
肥満対策としてトクホのお茶を飲む際には、「脂肪を減らすのを助ける」と書かれている伊右衛門特茶(サントリー)などの製品を選ぶと良いでしょう。
お茶の効能|高血圧
高血圧は、成人を越えた日本人の2人に1人が抱えている問題です。
そんな高血圧ですが、お茶を飲むことによって予防できることが明らかになっています。
ここでは、高血圧の基礎知識から、お茶を使って高血圧を予防する方法をご紹介します。
高血圧って?リスクと原因
高血圧は文字通り、血圧が高い状態を指します。
この状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞、心不全、甲状腺、副腎などの病気を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死に至るリスクを孕んでいます。
そんな高血圧の原因は、飲酒・食塩の過剰摂取・肥満・ストレスなど、生活習慣に起因しています。それ以外にも、遺伝で高血圧になりやすい人もおり、環境因子や遺伝子によって引き起こされるのです。
厚生労働省によると、現在は20歳以上の日本人の2人に1人が高血圧に悩まされており、非常に罹患のリスクの高い生活習慣病です。
お茶が高血圧を予防する?
お茶には、以下のような高血圧を予防する成分が含まれています。
カテキン
お茶に含まれるカテキンには、高血圧の原因となる「アンギオテンシンI変換酵素」という物質の働きを抑える効果があります。
実際、緑茶をよく飲む人の脳卒中による死亡率は、飲まない人に比べて男性で35%、女性で42%も低くなるという結果も出ています(出典:『日本茶のすべてがわかる本』農文協)。
GABA
GABA(γ-アミノ酪酸)とは、お茶の葉に含まれているグルタミン酸が変化してできた成分です。
GABAには血管を収縮させる作用のある「ノルアドレナリン」という物質を抑制する機能があり、血圧の上昇を防ぎます。
テアニン
テアニンはお茶に特有のアミノ酸の一種で、血管を拡張することで高血圧を防ぐ作用があります。
テアニンを摂取するとリラックスして血行がよくなるので、仕事や勉強に集中したいときにも効果的です。
高血圧を予防できるお茶の飲み方
高血圧を予防できるお茶の飲み方には、以下のようなものがあります。
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンがしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
玉露や抹茶を選ぶ
高血圧を防ぐ成分であるテアニンは、お茶の中でも特にかぶせ茶・玉露・抹茶などの高級茶に多く含まれる傾向があります。これは、被覆栽培によってテアニンからカテキンが生成されるのを抑制して作られるためです。
また二番茶・三番茶よりも、一番茶に多く含まれており、一番茶の中でも若く柔らかい芽により多く含まれます。一番茶の中でもベストなタイミングで摘採されたお茶に、最も多くのテアニンが含まれているのです。
そのため、「テアニンをしっかりと摂りたい」という方は普段よりも少しお高めのお茶を選んでみてください。
ギャバロン茶を選ぶ
GABAは、生葉を数時間無酸素状態で放置することによって生成され、この方法で作られたお茶を「ギャバロン茶」といいます。
ギャバロン茶を選べばGABAを多く摂取することができるので、血圧が気になる時にはオススメです。
お茶の効能|花粉症
お茶に含まれるカテキンの一種である「メチル化カテキン」には、アレルギーや花粉症を緩和する効果があります。
ここでは、「メチル化カテキン」の基本情報や効能、多く含まれるお茶の品種などをご紹介していきます。
お茶はアレルギー・花粉症に効く?
お茶には様々な健康効果がありますが、一部のお茶にはアレルギーや花粉症を抑制する効能があります。
お茶がそのような働きを持つのは、「メチル化カテキン」という成分を含んでいるからです。
メチル化カテキンって?
「メチル化カテキン」は、カテキンの一種です。
カテキンと一口に言っても、お茶には「エピガロカテキンガレート」や「エピカテキン」など、複数の種類のカテキンが含まれています。
メチル化カテキンは、お茶に最も多く含まれる「エピガロカテキンガレート」が変化した化合物のことを指します。
メチル化カテキンの効能
メチル化カテキンは、ヒスタミンなどのアレルギー症状を起こす物質の放出を妨げる効能があります。
というのは、メチル化カテキンは「アレルギー体を受け取った」という情報を脳に伝えずにシャットアウトする役割を持っているからです。
たとえば、メチル化カテキンを含むお茶をアレルギーを持つ動物に与えたところ、鼻汁や涙、浮腫などが改善したという実験データもあるほど。
つまり、メチルカテキンを多く含むお茶を摂取すれば、効率的にアレルギー症状を緩和できるということですね。
メチル化カテキンが含まれるお茶とその飲み方
メチル化カテキンが多く含まれるお茶としては、「べにふうき」「べにふじ」「べにほまれ」などが挙げられます。いずれも元々は紅茶用として開発された品種ですが、一点注意が必要なのは、紅茶に加工するとメチル化カテキンが別の化合物に変化してしまうということ。
そのため、メチル化カテキンを効率的に摂るためには、「紅茶」ではなく「緑茶」と記載されたものを購入するようにしましょう。
なお、これらのお茶を飲む際には、5分ほど煎じてから飲むと効率的にメチル化カテキンを摂取することができます。
メチル化カテキンは水に溶け出さない?
実は「メチル化カテキン」は水溶性ではないので、お湯には溶け出しにくく、茶葉を丸ごと体に取り込まなければ、あまり効果がありません。
そのため、「花粉症対策」として市販されているべにふうきは、茶葉を粉末にして加工されている場合がほとんどです。 粉末茶をお湯や水、牛乳などに溶かして飲んでみてください。
「やぶきた」はメチル化カテキンを含まない?
「やぶきた」は緑茶の代表的な銘柄ですが、メチル化カテキンをあまり多く含んでいません。
アレルギーや花粉症状に対する効果はそれほど期待できないので、「べにふうき」など別のお茶を選ぶことをおすすめします。
お茶の効能|抗酸化作用
抗酸化作用はお茶が持つ健康効果のひとつで、アルツハイマー・リューマチ・ガンなど、様々な病気のリスクを減らす効能があります。
この記事では、抗酸化作用の基礎情報やプロセス、抗酸化作用の強いお茶などをご紹介します。
抗酸化作用って?
抗酸化作用は、お茶の持つ健康機能のひとつです。
ガンやリューマチなどを予防するほか、組織の老化を防いだり、免疫力を保持したりする効能もあります。
抗酸化作用が起きる仕組み
ここでは、抗酸化作用が起きるプロセスを簡単に見ていきましょう。
そもそも人間の体には「酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する」という仕組みがあります。しかし、精神的なストレスや飲酒、喫煙、紫外線、激しいスポーツなど、様々なきっかけで酸素は「活性酸素」へと変化し、体内に残留します。
活性酸素は最近の侵入を防ぐという身体に重要な役割を持つ反面、悪玉酸素や酸素毒とも呼ばれ、健康な細胞を損傷してリューマチ・肝炎・動脈硬化などの病気を起こす要因の一つです。
本来は活性酸素が増えすぎると、それを消去する酵素が体内で作られ、過剰な活性酸素を減らしてくれるのですが、そのはたらきは生活習慣や年齢とともに衰え、特に40代を境に抗酸化物質の働きは急激に低下すると言われています。
こうして次第に増える活性酸素が、様々な病気を引き起こしてしまうのです。
「抗酸化作用」とは、この活性酸素が生まれるのを防止したり、すでに発生した活性酸素を消したりする役割を担っており、老化や病気の予防に非常に効果的です。
抗酸化作用はどう体に良い?
抗酸化作用は「すべての病気予防につながる」と言われるほど重要な機能です。
抗酸化作用によって罹患のリスクを減らせる主な病気には、以下のものがあります。
- リューマチ
- 肝炎
- がん
- 動脈硬化
- アルツハイマー型痴呆
※参考:芳野恭士ほか(2017)「健康茶の抗酸化作用」『沼津工業高等専門学校研究報告』
どれも生活や命に影響する重大な病気ですが、お茶を飲むことによってこれらのリスクを軽減することができます。
また、抗酸化作用には組織そのものの老化を防いだり、免疫力を保持したりする効果もあります。健康寿命を延ばし、健康で若々しい生活を送るために非常に重要な効果なのです。
抗酸化作用があるお茶の成分
お茶の成分の中でも、最も強い抗酸化作用を持っているのが「カテキン」です。
ビタミンCやビタミンEにも抗酸化作用がありますが、なんとカテキンはそれらの数倍〜数十倍ほどの抗酸化作用を持っています。
お茶は強い抗酸化作用を持つカテキンを含み、同時にβ-カロテン・ビタミンE、ビタミンCなど、抗酸化作用のあるビタミンも含んでおり、抗酸化作用の恩恵を効率よく享受することができる飲み物なのです。
カテキンを多く摂取して、抗酸化作用を得るためには?
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンの成分がしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
カテキンを多く摂りたい場合には、二番茶・三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
お茶の成分|香気成分
お茶に含まれる「香気成分」は、香ばしい香りや若葉の香りなど、様々な香りを構成しています。
お茶にはこの香気成分が数百種類以上も含まれており、お茶の複雑で繊細な香りを作り出しているのです。
今回は、お茶に含まれる主な香気成分や、それぞれの香気成分がどのような香りを構成しているのかをご紹介していきます。
お茶の香りは繊細で複雑
「お茶の香り」と一口に言っても、そこには香ばしい香りや若葉の香り、甘い香りや華やかな香りなど、様々な香りが存在します。
それらの香りを構成しているのが、数百種に及ぶ「香気成分」です。
お茶は香気成分を多く含む飲料で、緑茶で200種類ほど、紅茶・烏龍茶には600種類以上の香気成分が含まれています。 お茶の繊細かつ複雑な香りは、様々な香気成分が組み合わさって作られているのです。
紅茶・烏龍茶と緑茶の違い
紅茶・烏龍茶・緑茶は、全て同じチャの葉を原料として作られるお茶です。
しかし、それぞれのお茶は同じ原料から作られたとは思えないほど香りが異なります。その理由は、それぞれの製造方法の違いにあります。
緑茶
緑茶を製造する際には、製造の初期段階で摘みたての茶葉を加熱して「殺青」を行います。これによって、それ以上の酸化発酵が起こらなくなり、茶葉本来の爽やかな香りが保たれるのです。
茶葉の香気成分は、酸化発酵によってより多くの成分が生まれます。酸化発酵をさせずに作られる緑茶は、お茶本来の香りを感じられるお茶なのです。
紅茶・烏龍茶
紅茶や烏龍茶は、緑茶のように初期段階で茶葉を加熱することはせず、まずそれらを萎れさせる「萎凋」という工程を行います。この「萎凋」の最中に酸化発酵が進み、様々な香気成分が生まれます。
緑茶に含まれる香気成分は200種類程度でしたが、紅茶や烏龍茶に含まれる香気成分はなんと約600種類以上。
緑茶にはない花や果物のような華やかな香りが加わり、紅茶や烏龍茶の味わいが作られます。
このように、同じ茶葉でも酸化発酵によって香気成分の種類や量が変化するのです。
主な香気成分
お茶に含まれる香気成分の内、主要なものについて解説します。
リナロール
リナロールは、スズランのような軽く爽やかな香りを持つ香気成分です。
細菌やウィルス感染を防ぎ、免疫力を高める効果があります。
ゲラニオール
ゲラニオールは、バラの花のような香りを持つ香気成分です。
シトラスなどのフレーバーや、ビタミンEやAの製造原料として用いられることもあります。
青葉アルコール
青葉アルコールは、若葉の爽やかな香りを持つ香気成分です。
人造花精油や食品香料などにも用いられています。
シス-ジャスモン
シス-ジャスモンは、ジャスミンやクチナシのような、甘くて重厚感のある香りを持つ香気成分です。
特に紅茶の中に多く含まれるほか、フルーツ系やフローラル系の調合香料によく用いられます。
ジメチルスルフィド
ジメチルスルフィドは、青海苔のような香りを持つ香気成分です。
ノリやワサビなどの食品に含まれており、大量に使用すると悪臭の原因にもなります。
ただし、お茶にはごく微量しか含まれておらず、かつ他の香気成分と混じり合って存在しているため、爽やかな香りを演出する一翼を担っています。
ジメチルスルフィドは被覆栽培によって生まれる成分で、かぶせ茶・玉露・抹茶などの高級茶に良くみられる香りです。その栽培方法から、「覆い香」と呼ばれることもあります。
インドール
インドールは、青苦く重い香りを持つ香気成分です。
ジャスミン油やコールタールなどの中にも含まれています。
単体だとヂメチルスルフィドと同様、悪臭の原因ともなる成分ですが、低濃度であれば花のような香りとして感じられます。
ピラジン
ピラジンは、加熱によって生じる香ばしい香りを持つ香気成分です。
「火香」とも呼ばれ、煎茶やほうじ茶で感じられる香ばしい香りは、このピラジンによるものです。
※参考文献:『日本茶のすべてがわかる本』、『現代用語の基礎知識2019』、『日本大百科全書』、『デジタル化学辞典(第2版)』
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お茶の成分|ビタミン
お茶は、ビタミンCをはじめとして、様々なビタミンを含む飲料です。中でもビタミンCは、体の免疫機能を保つ役割を担っている重要な成分で、お茶の健康効果を高める成分でもあります。
ここではビタミンCの基本情報や詳しい効能、効率よくお茶からビタミンCを摂る方法などについてお伝えしていきます。
お茶に含まれるビタミン
お茶に豊富に含まれているビタミンは、以下の3つです。
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンE
13種類あるビタミンは水溶性のものと脂溶性のものに分類されますが、ビタミンCは水溶性のビタミン、ビタミンAとビタミンEは脂溶性のビタミンです。
「水溶性」や「脂溶性」という言葉を使うと難しく感じますが、水溶性は水に溶けやすい性質、脂溶性は水に溶けにくい性質のことです。
そのため、茶葉からお茶を淹れて飲む場合、水溶性であるビタミンCは効率的に摂取できますが、脂溶性であるビタミンAやEはほとんど摂取できません。
ビタミンCの効能
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の調査によると、お茶に含まれるビタミンCの効能は以下の通りです。
- 抗壊血病
- かぜ予防
- 白内障予防
- 抗アレルギー作用
- 免疫機能増強
- 抗酸化作用
- ニトロソアミンの生成抑制
このうち、抗アレルギー作用や免疫機能増強などの効能は良いとして、「抗酸化作用」や「ニトロソアミン」といった言葉には聞き覚えのない方もいると思います。
ここではその2つについて簡単に解説します。
抗酸化作用
抗酸化作用とは、体内の余分な物質を無毒化するはたらきのことです。
「すべての病気の予防になる」と言われるほど重要な機能で、組織の老化を防ぐ役割を担っています。
ニトロソアミンの生成抑制
ニトロソアミンとは化学物質の一種で、強い発がん性を持つ成分です。
ビタミンCを摂取するとニトロソアミンの生成が抑えられるため、結果的にがんの予防につながります。
お茶からビタミンCを摂るためには?
ビタミンCを多く摂りたい場合にオススメなのは「煎茶」です。
ビタミンCは日光を浴びることで生成されるので、直射日光を浴びて栽培される煎茶に多く含まれています。
逆に、覆いをして栽培する玉露や抹茶は、煎茶に比べるとビタミンCの含有量はあまり多くありません。
また烏龍茶や紅茶は、発酵(酸化)の過程でほとんどのビタミンCが変化してしてしまうので、ビタミンCはほぼ含まれていません。
お茶から全てのビタミンを摂取するには?
前述の通り、お茶に含まれる脂溶性のビタミンはお湯には溶け出しませんし、水溶性のビタミンも、その全てが溶け出す訳ではありません。
では、お茶に含まれる全てのビタミンを摂取するためにはどうすれば良いのでしょうか?
粉末茶を選ぶ
お茶に含まれるビタミンは、「粉末茶」を選ぶことによって余すことなく摂取することが可能です。粉末茶は茶葉を粉砕して作られているものなので、茶葉に含まれる成分をそのまま体内に取り込むことができるからです。
ただし、粉末茶を購入する際には、同じく顆粒のお茶である「インスタント茶」と間違えないよう注意してください。
出がらしの茶葉を食べる
茶葉に残ったビタミンを全て摂取するためには、出がらしをそのまま食べるのもおすすめです。
おすすめの食べ方は お茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。
ビタミンEは強い抗酸化作用、ビタミンAはお肌を健康に保つ作用のある成分なので、健康効果だけでなく美容効果も得たい方は是非試してみてください。
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お茶の成分|カテキン
「カテキン」は、お茶に特有のポリフェノールの一種で、悪玉コレステロール値の低下や、ストレス減少など、さまざまな効能を持つ成分です。
ここでは、カテキンの基本情報や、効率よくお茶からカテキンを摂るための方法をご紹介します。
カテキンって?
「カテキン」はポリフェノールの1種で、お茶の渋味の元となるお茶特有の成分です。
タンニンと呼ばれることもありますが、厳密にはタンニンは広く「皮をなめす性質を持った物質」のことを指すため、カテキンと全く同じ意味合いではありません。
お茶の中に含まれるカテキンは、主に以下の4種類。
- エピカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキン
- エピガロカテキンガレート
「ポリフェノールは健康に良い」という話を耳にしたことのある方は多いと思いますが、カテキンも医学的に健康効果が実証されている成分のひとつです。
それぞれ微妙に異なる効果を持っていますが、「悪玉コレステロールを抑える」などの基本的な効能は同じです。
カテキンはお茶の渋味成分
カテキンは、お茶の渋味を構成する成分です。
カテキンにはタンパク質と結合し凝集する性質があります。これが舌で起こると、舌のタンパク質と結合して収斂作用が起き、渋味を感じるのだと言われています。
適度な渋味があることで、お茶の味わいに奥行きが生まれたり、キレのあるお茶になったりと、お茶の味わいを作り上げるのになくてはならない成分なのです。
紅茶・烏龍茶の色が赤いのは、カテキンのせい
カテキンは酸化することで、テアフラビン・テアルビジン類の合体カテキンへと変化します。
カテキンは水溶液中では無色な成分ですが、これらの合体カテキンは赤っぽい色をしているため、酸化発酵を経て作られる紅茶や烏龍茶の水色は赤銅色なのです。
カテキンの効能
カテキンの主な効能には、以下のものが挙げられます。
- 抗菌・解毒作用
- 抗酸化作用
- 悪玉コレステロールを抑える作用
- 脂肪の吸収を抑える作用
- 認知症を予防する作用
- 消臭作用
- ストレスの低下作用
抗菌・解毒作用
カテキンは抗菌・解毒作用を持つ成分です。
O-157やインフルエンザ、マイコプラズマ肺炎の原因菌に対しての抗菌作用を持ち、赤痢菌・コレラ菌などの食中毒菌やピロリ菌の増殖抑制作用があることも明らかになっています。
また、植物の毒素に多いアルカロイドと結合しやすいため、解毒作用もあります。
抗酸化作用
カテキンには、「抗酸化作用」という健康効果があります。
「抗酸化作用」は、体の中にある余分な物質(活性酸素)を無毒化してくれるはたらきのこと。「すべての病気の予防になる」と言われるほど重要な機能で、組織の老化を防ぎ、免疫力を保つ役割を担っています。
カテキンの抗酸化力はビタミンCやビタミンEの数十倍ともいわれるほど。お茶にはカテキン以外にもビタミンC・Eなどの抗酸化ビタミン類も含まれているので、非常に強い抗酸化作用を持つ飲みものなのです。
悪玉コレステロールを抑える作用
悪玉コレステロールを抑えることもカテキンの効能のひとつ。
コレステロールには「HDLコレステロール(善玉)」と「LDLコレステロール(悪玉)」の2種類がありますが、カテキンはこの内、LDLコレステロールのはたらきを抑える効果を持っています。
中でも、お茶に豊富に含まれる「エピガロカテキンガレート」はその効果が強いと言われています。
脂肪の吸収を抑える作用
カテキンは、食事とともに摂取することで、脂肪の吸収を抑える効果を持っています。
市販されている特保のお茶にもこのカテキンの効能を利用したものがあるように、様々な生活習慣病の原因となる肥満の対策にもぴったりな飲み物です。
認知症を予防する作用
記憶障害や判断力の低下を引き起こし、社会問題の一つにもなっている認知症。
あるアメリカの研究によると、カテキンは特にアルツハイマー型の認知症の予防に効果があることが明らかになっています。
消臭作用
カテキンには消臭作用があることも明らかになっており、口臭の抑制や出がらしを再利用した消臭剤など、様々な製品・利用法が見出されています。
1991年に宇井美樹氏らが行なった研究では、カテキンを含んだチュイーンガムに口臭抑制効果があることがわかっています。
ストレスの低下作用
お茶を飲むと心が落ち着く、と感じたことはありませんか?
実は、お茶を飲むことがでストレスや緊張を取り除く効果があることは科学的に立証されています。
2012年に大和孝子氏らが発表した研究によると、市販の一般茶やカテキン茶を飲むことで以下のような効果が得られたと言います。
- 緊張や不安を取り除く
- 疲労感を回復させ、気分を改善する
また、市販されている高濃度のカテキン茶を飲むと、さらに抑うつや落ち込みを軽減させる効果があったとのこと。
お茶を摂取することで、精神的なストレスを緩和することができるのです。
お茶からカテキンを摂るためには?
カテキンの含有量は、品種や栽培方法、摘採時期によって大きく変化します。品種によって渋味の多寡が変わりますし、日本で多く作られている中国種よりも、インドなどで作られているアッサム種の方がカテキンの含有量は高くなります。
被覆栽培によってカテキンの生成が抑制される場合もありますし、逆に日照時間の長い二番茶・三番茶は、一番茶と比べて多くのカテキンを含んでいます。
ですのでここでは、一般的にお茶からカテキンを多く摂取する方法を以下3点に分けてお伝えしていきます。
- 高温のお湯で淹れる
- 二番茶・三番茶を購入する
- 出がらしの茶葉を食べる
高温のお湯で淹れる
カテキンは「低い温度では水に溶け出しにくい」という性質を持っています。
そのため、70度以上の高温で淹れることで、カテキンの成分がしっかりと溶け出したお茶になります。渋味はやや強くなりますが、カテキンを多く摂るには、高温で淹れるのがオススメです。
二番茶・三番茶を購入する
お茶の葉は、その収穫される時期から一番茶(新茶)、二番茶、三番茶などに分類されます。
一般的には一番茶が最も香りが良く、品質も高いと言われていますが、日照時間が長い時期に育つ二・三番茶は、光の作用によって生成されるカテキン類を、一番茶よりも多く含んで育ちます。
カテキンを多く摂りたい場合には、二番茶・三番茶を選ぶのがおすすめです。
出がらしの茶葉を食べる
カテキンは水溶性の物質ではありますが、その全てがお湯に溶け出す訳ではありません。茶葉に含まれるカテキンを全て摂取するためには、出がらしを食べるのが一番です。
おすすめはお茶のおひたしにして食べること。簡単で意外にも美味しく食べられるので、是非試してみてください。